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駐車場工事

目次

法律も知ってますます安心

実は駐車場を作るには、駐車場法や建築基準法、条例など色々な法的制限があります。

建築物を新たに設置するには色々な手続きや申請が必要になりますが、工作物とみなされた立体駐車場には建築基準法は適用されません。
工作物とみなされる立体駐車場の条件はどんなものでしょうか?
そして工作物と見なされるとどんなメリットがあるのでしょうか?

なお、一般に建築物とは土地に定着し、屋根や柱もしくは壁があるものとそれに付属する門や塀、地下・高架の事務所、店舗、興行場、倉庫などの施設を指し、工作物はそれら以外のものをいいます。

 

工作物とみなされる条件

・高さが8メートルを超える。
・屋根や壁がある。

建築物は建築基準法が適用されるので建築確認の申請をした上で、認証がおりて初めて設置できますが、工作物にはこの手続きが必要ありません。

 

駐車場計画と収容台数

敷地面積1,000m2と仮定した場合、一般的に平置き駐車は1台当たり約22m2程度の面積を要しますので約45台の収容が可能です。
駐車場を建設した場合、スロープ部が存在するため、1台当たり約25m2程度の面積を要しますので1層2段型ならば約80台程度の収容が見込めます。
但し、建ぺい率により敷地全体に建設することはできません。
1層2段型の場合は、平置き駐車場の約1.5倍、2層3段型は約2.3倍、3層4段型は約3.0倍程度となります。
敷地状況にもよりますが、敷地が大きければこれ以上の伸び率になります。

自走式立体駐車場は「建築物」

自走式立体駐車場は「建築物」です。
建築基準法に定められている通り、土地に定着し、屋根と柱をもっているからです。

 

自走式自動車車庫と建築基準法

面積、高さ等の算定方法(令2条)

敷地面積

敷地の水平投影面積のことです。
ただし、道路の境界線とみなされる線と道との間の部分の敷地は算入しません。

建築面積

建築物の外壁またはこれに代わる柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積のことです。
(軒、庇、はね出し縁その他これらに類するもので中心線から水平距離1m以上突き出たものがある場合は、その端から水平距離1m後退した線とします。)
ただし、大臣が高い開放性を有すると認めて指定する構造の建築物またはその部分については、その端から水平距離1m以内の部分の水平投影面積は算入しません。

床面積

建築物の各階又はその一部で、壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積のことです。

延べ面積

建築物の各階の床面積の合計です。ただし、容積率の算定において、自動車または自転車の停留・駐車のための施設に利用する部分の床面積については、敷地内の建築物の各階床面積の合計の1/5を限度として算入しません。

築造面積

工作物の水平投影面積のことです。
ただし、大臣が別に算定方法を定めた工作物については、その算定方法によります。

建築物の高さ

地盤面からの高さによります。
ただし、階段室、昇降機塔、装飾塔、物見塔、屋窓その他これらに類する建築物の屋上部分の水平投影面積の合計が建築物の建築面積の1/8以内の場合、その部分の高さは12mまでは、建築物の高さに算入しません。

軒の高さ

地盤面から建築物の小屋組またはこれに代わる横架材を支持する壁、敷桁、柱の上端までの高さのことです。

階数

昇降機塔、装飾塔、物見塔等の建築物の屋上部分、または地階の倉庫、機械室等の建築物の部分で、水平投影面積の合計が建築物の建築面積の1/8以下のものは、建築物の階数に算入しません。
建築物の一部が吹抜けとなっている場合や、建築物の敷地が斜面か段地になっている場合や、建築物の部分によって階数を異にする場合には、これらの階数のうち最大なものを階数とします。

地盤面

建築物が周囲の地面と接する位置の平均の高さにおける水平面のことです。
その接する位置の高低差が3mを超える場合は、その高低差3m以内ごとの平均の高さにおける水平面とします。

平成5年・告示第1437号

「大臣が高い開放性を有すると認めて指定する構造の建築物またはその部分」の条件
・外壁をもたない部分が連続して4m以上あること。
・柱の間隔が2m以上あること。
・天井の高さが2.1m以上あること。
・地階を除く階数が1であること。

建築基準法第38条の削除と大臣認定

建築基準法旧第38条は平成12年5月に削除され、その認定効力はその後2年間の据置措置がとられました。
その後、3層4段は法第68条の26(構造方法等の認定)の規定に基づき、防耐火の認定および図書省略の認定へ、また、1層2段・2層3段は法第68条の10(型式適合認定)の規定に基づき、法令の一連の規定に適合する認定へ移行となりました。
なお、1層2段・2層3段は、防災に関しては法令適合、構造に関しては法第68条の26の規定に基づく図書省略の認定あるいは個別の構造計算書で運用することも可能となっています。

大臣認定

3層4段は防耐火に関する高度な検証により、無耐火被覆の柱・梁、防火区画の不要、延焼部の防火戸の不要等の仕様で、耐火建築物の扱いとなります。
また、1層2段・2層3段・3層4段は図書省略の認定を取得することにより、建築確認申請書に添付する図書から構造計算書が除かれます。

型式適合認定

これを取得することにより、法第6条の3及び法第7条の5の規定により、建築確認及び検査の特例の対象となり、建築確認及び検査の際に認定に係る一連の規定の審査が省略される等の審査の簡素化が図れます。
これらは低コスト・短工期に繋がり、非常に大きなメリットとなります。

立体駐車場の消防設備

自動車駐車場には消火器具、水噴霧消火設備等、自動火災報知設備が必要となります。
大臣認定の立体駐車場は、消防庁の通達により解放性を確保することにより、第3種移動式粉末消火設備とすることができます。
また、自動火災報知設備については、外周部から5m未満の範囲は外部の気流が流通する場所として感知器の設置を免除される場合があります。
その他、連結送水管や誘導灯等を必要とする場合もあります。

駐車場の建設可能面積

大臣認定駐車場の建設可能な最大面積は
  1層2段が床面積4,000m2まで、
  2層3段が各階床面積4,000m2、延べ面積で8,000m2まで、
  3層4段が各階床面積4,000m2、延べ面積で12,000m2までです。
ただし、実質の駐車に供する面積は屋上を加えて、
  1層2段が4,000m2、
  2層3段が12,000m2、
  3層4段が16,000m2です。

 

道路交通法

建築物における駐車施設の附置

第20条

駐車場整備地区内または商業地域内もしくは近隣商業地域内において、延べ面積が2,000m2以上で条例で定める規模以上の建築物は、建築物の敷地内に自動車の駐車のための駐車施設を設けなければならない。
劇場、百貨店、事務所等特定用途の建築物は、延べ面積が2,000m2未満である場合、建築物の敷地内に自動車の駐車のための駐車施設を設けなければならない。

第20条〜第20条の3

建築基準法第3条第2項及び第3項の規定は、この法律の施行の際現に存する路外駐車場、自動車の駐車の用に供する部分の面積が500m2以上であるものに限る。

 

駐車場法施行令に基づく構造・設備基準チェックリスト

出口及び入口(令7条)

(イ)道路交通法第44条各号に掲げる道路の部分に出入口を設けてはならない。

  • 交差点、横断歩道、 自転車横断帯、踏切、軌道敷内、坂の頂上付近、勾配の急な坂又はトンネル(トンネルについては、「必要な変速車線を設けること、必要な交通整理が行われること等により、国土交通大臣が円滑かつ安全な交通の確保に支障がないと認めるもの」適用しない。)
  • 交差点の側端又は道路の曲り角から5m以内の部分
  • 横断歩道又は自転車横断帯の前後の側端からそれぞれ前後に5m以内の部分
  • 安全地帯の左側の部分及び当該部分前後側端からそれぞれ前後に10m以内の部分
  • 乗合自動車の停留所、路面電車等の停留所等を表示する標示柱、標示板から10m 以内の部分
  • 踏切の前後の側端からそれぞれ前後に10m 以内の部分
  • その他公安委員会が指定した場所

(ロ)横断歩道橋(地下横断歩道を含む)の昇降日から5m以内の道路の部分に出入口を設けてはならない。
(ハ)小学校、盲学校、聾学校、養護学校、幼稚園、保育所、知的障害児通園施設、肢体不自由児通園施設、情緒障害児短期治療施設、児童公園、児童遊園、児童館の出入口から20m以内の道路の部分に出入口を設けてはならない。
(当該出入口に接する柵の設けられた歩道を有する道路および当該出入日に接する歩道を有し、かつ縁石線または柵その他これに類する工作物により、車線が往復の方向別に分離されている道路以外の道路にあっては、当該出入日の反対側及びその左右20m以内の道路の部分を含む。)
(ニ)橋に出入口を設けてはならない。
(ホ)幅員6m未満の道路に出入口を設けてはならない。
(ヘ)縦断勾配が10%を越える道路に出入口を設けてはならない。
(ト)前面道路が二つ以上ある場合は、自動車交通に支障の少ない道路に出入口を設けること。
(歩行者通行に著しい支障を及ぼすおそれがあるとき、その他特別の理由があるときを除く。)
(チ)駐車の用に供する面積が6,000m2以上の場合は、出口と入口を分離し、その間隔を10m以上としなければならない。
(縁石線又はさくその他これに類する工作物により、道路の車線が往復の方向別に分離されている場合を除く。)
(リ)出入口において自動車の回転を容易にするため必要があるときは、隅切りをすること。
この場合、切取繰と車路との角度及び切取線と道路との角度を等しくすることを標準とし、かつ、切取線の長さは1.5m以上としなければならない。
(ヌ)出口附近の構造は、出口から2m後退した車路の中心線上1.4mの高さにおいて、道路の中心線に直角に向かつて左右にそれぞれ60°以上の範囲内で道路通行者が確認できるようにしなければならない。
(自動二輪車専用部分の出口にあっては、1.3m後退)

車 路(令8条2項・3項)

車路は幅員5.5m 以上としなければならない。
ただし、一方通行は3.5m 以上(当該車路に接して駐車料金徴収施設が設けられており、かつ、歩行者の通行の用に供しない部分にあっては2.75m以上)とすることができる。
(自動二輪車専用部分の車路にあっては、それぞれ3.5m 以上、一方通行2.25m 以上(1.75m以上))

建築物である場合の車路

上記の車路の規定のほか、下記の規定によらなければならない。
・はり下の高さは2.3m以上とすること。
・屈曲部は、内のり半径5m以上とすること。
(ターンテーブルが設けられているものを除く。)
(自動二輪車専用部分の車路にあっては、内のり半径3m以上)
・縦断勾配は17% を超えないこと。
・傾斜部の路面は、粗面またはすべりにくい材料で仕上げること。

駐車部分の高さ(令9条)

建築物である場合、駐車部分のはり下の高さは、2.1m以上でなければならない。

避難階段(令10条)

建築物であって、直接地上へ通ずる出入口のある階以外の階に車室を設ける場合は、建築基準法施行令に規定する避難階段またはこれに代わる設備を設けなければならない。

防火区画(令11条)

建築物であって、給油所、その他火災の危険のある施設を附置する場合は、建築基準法等に規定する耐火構造の壁または特殊防火設備によって区画しなければならない。

換気装置(令12条)

建築物である場合、内部の空気を1時間につき10回以上直接外気と交換する能力を有する換気装置を設けなければならない。
ただし、窓その他の開口部を有する階で、換気に有効な開口部の面積がその階の床面積の1/10以上であるものは、この限りではない。

照明装置(令13条)

建築物である場合、次の照度を確保できる照明装置を設けなければならない。
車路の路面    10ルクス以上
駐車部分の床面    2ルクス以上

警報装置(令14条)

建築物である場合、自動車の出入及び道路交通の安全確保のために必要な警報装置を設けなければならない。

※大臣認定された特殊駐車装置については、本リストのうち構造・設備に関する基準は適用されません。

 
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