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屋根工事

屋根工事とは、雨風をしのぎ、降った雨が屋根面をよどみなく流れ、雨漏りせず、振動等によってずり落ちないような、安定している屋根を造る工事のことです。
石綿スレート材による屋根葺きは、安価で施工が容易なため一般的に広く使用されてきましたが、諸問題の発生により全面的に使用禁止になりました。
これから屋根の葺き替えやその処理において、多くの問題が発生すると思います。そのため、あえて石綿スレート葺工法も紹介します。

目次

施工

施工

施工者は、設計図書に基づいて施工計画書、施工要領書、検査要領書を作成し、これに従って工事を行ないます。
施工者は、工事管理者の示す基本工程に基づいて工程表を作り、これに従って工事を進めます。
施工者は施工に先立ち、施工図を作成します。
施工者は工事の間、屋根工事の技能士を原則として常駐させます。
技能士が自ら施工および作業指導します。

施工順序

1、下葺
2、各部雨押え・谷樋
3、瓦寸法割付
4、葺足定規
5、瓦座・瓦桟打ち
6、瓦運搬・葺土据え
7、瓦葺

 

下葺

屋根材を葺く前の下地の施工のことです。屋根葺き材料により、アスファルトルーフィングおよびアスファルト葺、こけら板葺、樹皮葺があります。

アスファルトルーフィングおよびアスファルト葺

材料

アスファルトルーフィングは通常、長さ21 m・幅1m・重さ22kgのものを使います。
アスファルトフェルトは通常、長さ42m・幅1mのものを使います。

下葺き施工

・アスファルト類
アスファルト類は、軒先より水下側のルーフィング類が水上側の上に重ならないように葺き進めます。
そのとき、重ね幅はシートの長手方向200mm以上、幅方向100mm以上にします。
・ルーフィング類
たるみ、しわを生じないようにステーブル釘で仮止めをします。
仮止め間隔は流れ方向に300mm程度、流れに直角方向に900mm以内にします。
谷、棟部分は二重葺きにし、壁との取り合い部は雨押さえ上端より50mm以上立ち上げます。

合成高分子系シート葺

合成高分子系シート類は、軒先より水下側のルーフィング類が水上側の上に重ならないように葺き進めます。
そのとき、重ね幅はシートの長手方向200mm以上、幅方向100mm以上にします。

こけら板葺

材料

・木板
木板の形状は、長さ240mm内外、幅100mm内外、厚さ0.9mm以上にします。
材質は杉、ヒノキ、サワラ、ヒバ等の機械はぎ板を使います。

こけら板葺施工

葺足は軒先2枚重ねにし、葺足80mm内外で2枚目ごとに中心および端を小羽釘留めします。
また、棟覆いは3枚重ねにし、左右を折り掛け桟木留めします。
隅棟および谷は幅240mm以上の回し葺、または筋葺にします。

樹皮葺

材料

すぎ、ひのき、さわら、ひば等の樹皮を用います。
形状は長さ600mm、幅300〜600mmです。

取付け施工

留付けは、重なりを60mm程度にし、かわら桟または割り竹で留め付けます。

※建材を探す →  「屋根工事」屋根下葺材
 

和形粘土瓦葺(日本瓦葺)

木造建物の和形粘土瓦葺工法である桟瓦引掛葺工法と桟瓦土葺工法、洋形粘土瓦葺工法である桟瓦引掛葺工法、そしてRC造・S造における特殊工法である桟瓦引掛工法について述べます。

材料

かわら・瓦桟・緊結線・なんばんしっくい

かわら

和形粘土瓦とは、ゆう薬瓦・いぶし瓦・塩焼き瓦・無粕(素焼き)瓦の、JIS合格品または同等品のことです。
欠損、使用上障害となる欠点のないことが条件です。
・洋形粘土瓦であるS形瓦・スパニッシュ形瓦・フレンチ形瓦も同様です。

瓦桟、釘、緊結線

JASSの規定によるものを使います。
・瓦桟 
幅18mm×せい15mm内外の侵食しにくい木材を用いたものです。
地域、屋根、勾配によりその断面を割増します。
・釘  
長さ45〜65mm、径2.4mm内外の銅釘、ステンレス釘、黄銅釘です。
・緊結線
径0.9mm内外の銅線またはステンレス線です。

なんばんしっくい、モルタルの調合

JASSの規定によるものを使います。
・なんばんしっくい
「消石灰0.4l」:「砂60l」:「麻すさ、またはわらすさ62.5l」:「つのまた1.0l」:「植物性油適量」を調合します。
着色する場合は適量の顔料を混入します。
・モルタル
「セメント1.0」:「消石灰0.5」:「砂4.0」:「麻すさ適量」を調合します。
・葺土(なじみ土)
良質の粘土に適量の砂を混ぜます。
わらすさを切り混ぜ、十分に切り返した練り土を使います。

施工

・瓦の働き寸法を正確に測ります。そして袖瓦、軒瓦およびさん瓦を地割に従い、目通り棟まで葺きあげます。
・のし瓦は、本棟1段以上、すみ棟2段以.止二とし、良質の葺き土で積みあげます。
・軒瓦、袖瓦、谷縁瓦は、1枚ごとに緊結、または釘打ちします。
・引掛けさん瓦は、軒およびけらばから、2枚目通りまでを1枚ごとに釘打ちします。
その他のさん瓦は、登り4枚目ごとに緊結または釘打ちします。
・棟積みする場合は、のし瓦を互いに緊結し、がんぶり瓦または丸瓦を1枚ごとに、地棟に2条の緊結線で締めます。
また、のし瓦とがんぶり瓦を一緒に鉢巻状に緊結することもあります。
葺土は良質の粘土に適量の砂を混ぜ、わらすさを切り混ぜて、十分に切返した練り土を用います。

工法

和形粘土瓦葺の引掛桟瓦葺の場合

引掛桟瓦葺とは、平葺部分の瓦の裏面に瓦桟に引掛ける突出部が付いているものです。
このとき、瓦桟を葺足にそろえて打ちます。
桟瓦・軒瓦・袖瓦は地割に従い葺足などむらなく葺き詰めます。
のし瓦、がんぶり瓦、鬼瓦などは、葺土またはモルタルを詰め上げます。
袖瓦は通りよく仕上げます。

軒先一文字瓦を使用する場合

谷縁を切落します。
その他の切り口も通りよく仕上げます。

瓦の留付け

・袖瓦、軒瓦、谷縁の瓦は1枚ごとに緊結、または釘打ちします。
・桟瓦は、軒およびけらばから2枚通りまでを1枚ごとに釘打ち、または緊結します。
その他の桟瓦は登リ5枚目ごとに釘打ち、または緊結します。
・がんぶり瓦は、1枚ごと2条の緊結線で桟木に結び付けます。鬼瓦は、4条以上の緊結線で結び付けます。
・のし瓦は2番目より鉢巻状に結びます。

急勾配場合の瓦の留付け

瓦桟は45mm×22mmのものを使います。
留釘は黄銅またはステンレス製で径3mm、長さ60mm以上のスクリュー釘を使い、1枚ごとに下地に留めます。
先端の瓦は銅線で緊結するか、ステンレス製スクリュー釘で下地に留め付します。
留め付けた後、各部の仕上りを再点検し、葺土、しっくいなどで汚れた箇所を清掃します。

桟瓦土葺の工法

桟瓦土葺の工法は、下地に土留桟を設け、桟瓦の裏面の一部または全面に葺土を置きます。そして、瓦の高さにむらがないように葺き上げます。
留付けその他は引掛け桟瓦葺工法と同じです。

洋形粘土瓦その他の粘土瓦葺の工法

これらの工法は、引掛け桟瓦葺工法と同じです。

壁との取合い

壁が桟瓦桟尻にあたる場合は、桟尻を切落します。壁が桟瓦の桟やまや差込み側にあたる場合はそれも切落します。
そのとき、その他の切リロは通りよく蒔き上げます。

棟との取合い

屋根勾配、屋根構造により工法はことなります。ただし、強風、地震などによる瓦の脱落・飛散がないようにします。

特殊工法

コンクリート屋根スラブへの瓦葺

屋根スラブの上に瓦葺を釘止めします。
このとき、必要に応じて、瓦や緊結線を固定します。
固定するための釘打ちができるような下地を設けます。
瓦桟が45mm×22mm以上のものを使います。
釘付けは太さに応じた長さの、ステンレス製スクリュー釘を使います。
瓦は瓦桟に固定し、必要に応じ下地に釘打ち、または緊結線で緊結します。
屋根勾配により、軒先や袖瓦は銅線で緊結するか釘で下地に留め付けます。

鉄骨小屋組への瓦葺

・野地板を使用しない場合
垂木として、75×45×15×2.3mm以上のC形鋼を450mm内外間隔に流れ方向に施します。
このC形鋼垂木に、使用瓦の葺足に応じて、瓦桟L形鋼材を溶接、またはボルト締めします。
瓦の留付けは、1枚ごとに、緊結線で瓦桟L形鋼に留め付けます。

・野地板を使用する場合
垂木として、75×45×15×2.3mm以上のC形鋼を450mm内外間隔に流れ方向に施します。
野地板には、厚さ12mm以上の変質腐食しにくい用材を使います。
野地板はC型鋼材にタッピンねじ止め、またはボルト締付けします。
瓦桟は45×22mm以上のものを使い、ステンレス製スクリュー釘で野地板に留め付けます。
瓦の留付けは和形粘土瓦の引掛桟瓦葺工法と同じです。

 

厚形スレート葺

材料

厚形スレートは、平形、平S形、和形、S形ともJIS規格に準じます。

瓦桟・釘および緊結線

JASSの規定によります。
・瓦桟 
幅18mm×せい15mm内外の侵食しにくい木材を使います。
地域、屋根、勾配によりその断面を割増しします。
・緊結線
径0.9mm内外の銅線またはステンレス線を使います
・釘
打込釘は銅釘または亜鉛めっきの鉄丸釘を使います。

取付け施工

葺き方・留め付け・壁および棟の取合いは、和形粘土瓦葺と同じです。
ただし、有効な引掛けのない桟瓦は1枚ごとに留め付けます。

※建材を探す →  「屋根工事」屋根材
 

石綿スレート葺

現在、全面使用禁止になっていますが、歴史的事実として記載します。

住宅用スレート瓦葺屋根

材料

屋根スレートの品質・寸法・形状はJIS規格に準じます
留付け釘は専用釘を使います。
鉄製の場合、溶融亜鉛めっき以上の耐久性のあるものを使います。

下葺の材料

アスファルトルーフィング、アスファルトフェルト葺、合成高分子系シート葺と同じです。

工法

・屋根スレートの切断、孔あけは専用工具を使用します。
屋根釘径より1mm前後大きな孔をあけます。
・葺き足および重ねは、JIS 規格に準じます。
屋根スレートは重ね葺きします。防水性能を維持するためには、屋根勾配と最大流れ長さが重要な要素となりますが、それは各製造業者の基準により異なります。
・葺き方および留付け
屋根スレートは、1枚ごと所定の位置に専用釘で野地板に打ち留めます。
強風地域または平地より10m以上 の高所で使用するときは、耐風強度を上げるために、 接着剤または、増留めで補強します。
接着剤補強は、軒先・けらば・棟・壁立ち上部などで、業者指定品の接着剤を使います。
増留めで補強するときは、補強が必要な屋根スレートを、耐候性・防水性など十分考慮した補強用釘などで表面から留め付けます。
・軒先は、軒先専用材を敷き入れ、2枚または3枚重ねにします。
軒板は、屋根スレート本体に先がけ屋根釘で留め付けます。その後、屋根スレート本体の葺足先端部を、軒板にそろえて留め付け、2枚または3枚重ねにします。
・軒、けらば、軒先などの留付けは、雨仕舞工法は、製品に従います。
鋼板役物を使用する場合はJIS 規格に準じます。
鋼板役物取付釘は、ステンレスまたは防錆処理釘を使います。
径3mm程度、釘ピッチ455mm以下の釘を使います。
・谷葺、壁との取合い部やRC造、S造などへの特殊工法については製品に従います。

波形石綿スレート葺

屋根葺用石綿スレート葺のことです。

材料

屋根葺用石綿スレート
品質は、JIS 規格に準じます。

工法

屋根葺用石綿スレート屋根一般部分

葺板の切断や孔明けは、押切りカッターで行います。
葺き足や重ねの長さは、JIS 規格に準じます。
・葺板は、1枚ごと所定の位置に、専用釘で野地板に留めつけます。
強風地域や特に対風耐力を必要とする場合は、接着剤または釘による増し留めを行います。
・特殊工法によるものは、各製造所の仕様によります。

波板

材料

JIS 規格に準じた、中波、大波、リブ披を使います。
棟覆い・軒先・けらば等の役物はJIS規格に準じます。また、面戸は合成樹脂製のものを使います。
留付け金物は、鉄製亜鉛めっき叉は、ステンレス製のものを使います。

工法

・切断は、基本的に工場加工とします。
施工現場で加工する場合は、粉じん対策を考慮した工具を使います。
・縦方向の割付けは、母屋間隔と軒の出寸法により波板の長さを選びます。
縦重ね寸法と母屋間隔は、JASSの規定によります。
勾配が3/10未満では雨仕舞のために、波板の重ね目にシーリング材を充てんします。
横方向の割付けは、建築場所の最多風向を考慮して風下のけらばと軒先を、基準線として割付けます。
・隅切りは前述の重ね寸法で行います。葺重ねの際に、波板の隅々の上下左右が4枚重ねとならないよう、中に挟まれた2枚の隅をおのおの縦重ね寸法と横重ね寸法で斜めに切り落として突付けます。
・波板の縦方向は、波板の上端と母屋の上端をあわせます。横方向は、波板を母屋の端の基準と合わせます。そして、軒先通りに水糸を張り、軒の出が一定になるよう葺き並べます。
・留付け金物の位置は重ね部分を避け、波山部に座金とかい物を当てて留め付けます。リブ波の場合は重ね部分にも留め付けます。

・留め付け金物は、波板1枚につき、母屋1列あたり2か所留めるようにし、軒先、棟、けらばの周辺部は3か所留めます。強風地域では、常に3か所留めます。
壁との取合いは、着色亜鉛鉄板製役物などで波板との間に生ずる隙間に面戸を挿入れ、雨仕舞よく納めます。
軒先の出が、受合端から360mm以上ある場合は、鼻がらみを取り付けます。
また、波板には軒樋金物などは取付けません。

この記述を見てもわかるように、JIS、JASSとも、細部にわたって、石綿スレート葺について記載しています。
また、「石綿を含有している製品を加工または解体する場合は、特別な作業上の配慮を必要とするので留意すること。」の記載もあります。
このようなことに対する判断は、皆様に委ねます。

 

金属板葺

平葺(一文字葺)、心木あり瓦棒葺、心木なし長尺瓦棒葺、立平葺、蟻掛葺および波板葺、折板葺、横葺、金属瓦葺、ステンレスシーム溶接葺があります。

材料・品質

・材料
高耐候性圧延鋼材のうちSPA-C
溶融亜鉛めっき鋼板および鋼帯の屋根用
塗装溶融亜鉛めっき鋼板および鋼帯の屋根用
塗装ステンレス鋼板のうちSUSC304またはSUSCD304
冷間圧延ステンレス鋼板のうちSUS304またはこれと同等以上のもの
冷間圧延ステンレス鋼帯のうちSUS304またはこれと同等以上のもの
鋼および銅合金の板および条のうちC1220PまたはC1220R
亜鉛板うちの亜鉛合金板
ポリ塩化ビニル・塩化ビニル樹脂・金属積層板のうちA種
溶融アルミニウムメッキ鋼鈑
アルミニウム合金鈑
塗装アルミニウム合金鈑
・品質
品質はJIS規格に準じます。

葺板の板厚

溶融亜鉛めっき鋼板、塗装溶融亜鉛めっき鋼板およびポリ塩化ビニル(塩化ビニル樹脂)金属積層板を用いる場合は、0.35mm以上のものを使います。
塗装ステンレス鋼板または、銅や銅合金の板・条を用いる場合は、0.3mm以上のものを使います。
谷の部分の板厚および、吊子等の部分の板厚は、葺板より1mm以上厚いものを使います。
塗装溶融亜鉛めっき鋼板等の欠損部分の補修については、各製造所の仕様によります。

留めつけ用材料

固定釘、ボルト、ナット、座金を使います。
固定釘は亜鉛めっき釘またはステンレス釘を使います。カラーコーディングしたものでも構いません。折板用には長さ38mm以上のものを使い それ以外には32mm以上のものを使います。
吊子用の留めつけ用の釘は、長さ45mm以上のものを使います。
その他の付属材料は、各製造所の仕様によります。

下葺き材料

・アスファルトルーフィング1巻22kg以上のもの、または、 アスファルトフェルト1巻20kg以上のものを使います。

その他の材料

心木には高さ40mm、幅45mm以上のものを使います。
力心には径4mmの亜鉛めっき鉄線を使います。
枕座金には、鋼板亜鉛めっきまたは合成樹脂製で、波板の形状に合ったものを使います。
波面戸には20mm以上の厚さのものを使います。
ジョイナーも使います。

工法

葺板の厚さは、0.35〜0.6mmのものを使います。
釘の寸法は、平葺であれば.15×38mmのものを使い、その他は垂木や母屋に、40mm以上打込めるものを使います。蟻掛葺であれば60mm以上打ち込めるものを使います。
ボルトは径6mmのものを使い、座金は径20mm以上のものを使います。
ただし、波板葺であれば、座金は24mm以上のものを使います。
パッキンは厚さ6mm、径23〜28mmのものを使い、獣毛フェルトーにアスファルトを含浸させたものまたは同等品以上の品質を使います。
吊子、釘と屋根材との間に、異種金属間の電食が起こらないようにします。
また、パッキンの成分が屋根の腐食の原因とならないようにします。

基本的には、鋼板製屋根構法標準、または専門業者の仕様によりますが、特に注意が必要なものを以下で説明します。

下葺・下葺材料

折板葺の他は、金属板葺に先立ち下葺を行います。

アスファルトルーフィングおよびアスファルトフェルトの葺き方

・上下左右とも100mm以上重ね合わせます。
・留めつけは、継手通りは300mm内外の間隔で、その他は要所に座当て釘打ちにします。
タッカーで留めつけても構いません。
・棟は、左右折り掛けにします。
・棟板、かわら棒および桟木などは、張り包みません。
・しわ、またはゆるみが生じないように張り上げます。

金属板の折曲げ加工・接合

金属板の折曲げ加工

・加工は、原則として機械加工とします。
屋根葺き面積が少ない場合、または現場取合い加工の場合は、手加工とすることができます。
・折曲げに際して、樹脂の積層を含む着色などの塗膜に損傷剥離が生じないようにします。また、めっきおよび地はだにき裂が生じないように加工します。
・塗膜の損傷部分を補修するときは、各製造所の仕様によります。

金属板の接合

・接合部は、引掛けもしくはつかみ込みによるこはぜ掛け、または巻はぜによる二重はぜとします。
・こはぜの掛かりおよび折り返し幅は、下はぜ15mm以上、上はぜ12mm以上にします。

金属板の留め付け

・吊子は、通し吊子または通し付け子を使います。
吊子には、幅30mm、長さ70〜80mm内外のものを使い、釘打ちします。
・通し付け子は、長さ900mm内外のものを使います。継手は突付け、両端およびその中間を200mm内外の間隔で釘打ちし、通りよく取付けます。
・釘打ちの釘頭は、すべてシーリング処理します。

屋根葺材の種類と固定釘・ボルト・ナット・座金の種類

以下の屋根葺材を使う場合、固定釘・ボルト・ナット・座金には、全て亜鉛メッキのものを使います。
・溶融亜鉛メッキ鋼鈑・鋼帯
・塗装溶融亜鉛メッキ鋼鈑・鋼帯
・溶融アルミニウムメッキ鋼鈑
以下の屋根葺材を使う場合、固定釘・ボルト・ナット・座金には、全てステンレスSUS 304のものを使います。
・ポリ塩化ビニル金属積層板
・アルミニウム合金鈑
・塗装アルミニウム合金鈑
・冷間圧延ステンレス鋼鈑
・塗装ステンレス鋼鈑

※建材を探す →  「屋根工事」屋根材金属屋根材
 

平葺(一文字葺)

材料

・914mm×1829mm の葺材を用います
A種は、葺材を12枚切りにし、228mm×609mmの大きさで使います。
B種は、葺材を8枚切りにし、228mm×914mmの大きさで使います。
A種の方が下地にしっかり固定でます。
・吊子は、幅30mm長さ70mm程度のものを使います。
・葺板の四辺にはぜを付けます。このとき、上はぜ15mm、下はぜ18mm程度にします。

葺き方

・吊子を葺板1枚につき2枚以上使います。
・下はぜに掛け、下地に釘留めします。このとき、長さ25mm以上の釘を使います。

・棟覆いは、屋根の葺板または棟覆い板にはぜ掛けします。このとき、吊子は300mm程度の間隔で留め付けます。
・軒先、けらばなど屋根端部は、同種の板の唐草を下地に留め付けます。屋根板は、唐草につかみ込んで収めます。
・雨押え板は、一方を屋根板とはぜ掛けし、他端は壁際で90mm程度立ち上げます。
吊子間隔は30mm程度にします。継手ははぜ掛けします。
・谷板はむだ折りをし、吊子を掛けます。たたみはぜには、葺板を掛け留めます。
吊子間隔は約30mm、釘長さは約32mmとします。
谷板は長尺の板を用い、継手が無いようにします。

 

心木を用いた瓦棒葺

・野地板上にアスファルトルーフィング等を下葺きにします。その上で、心木を脳釘打ちにし、野地を通し下部の垂木に40mm以上打込みます。
・吊子は、幅約60mm、間隔450mm以下で取付けます。
・溝板を心木の間に敷き並べ、吊子を溝板のはぜ部分、はぜ幅約15mmに掛けます。
・心木の上から、キャップを溝板のはぜに掛け合せ、均一に叩き締めて仕上げます。
・棟覆いの溝板の端は、八千代折にし、心木の高さまで水返しを付けます。
・軒先の納めには唐草と桟鼻を使い、溝板とキャップの先端部分を納めます。
・けらばは軒先の納めと同様に唐草を用いて納めます。
ただし、強風に対する補強として、座金とパッキンを用いた釘で、溝板表面から垂木、または破風板に450mm以下の間隔で留め付けます。
・屋根と壁の取合い部分は雨押えで納めます。
雨押えの一端は棟覆いに準じて納め、他端は壁際で120mm程度立ち上げ、むだ折りを付けます。
・その他は平葺と同じです。

 

心木を用いない長尺瓦棒葺

・野地材上に下葺きし、下葺きの上にロール成形機で加工した溝板を通します。
・吊子に、釘・ボルトなどで固定し、キャップ掛けし、はぜ締めして仕上げます。
・その他は心木を用いた瓦棒葺と同じです。

 

立平瓦および蟻掛葺

立平瓦は、ロール成形機で加工した溝板を吊子で垂木に留め付けます。
蟻掛け葺は、溝板を敷込む前に、蟻掛吊子を母屋の位置に釘止めし固定します。
中に力心を通します。
他は立平葺と同じです。

 

波板葺

材料

葺板は、JIS 規格に準じます。
・葺板には、波の高さ18mm、幅800、875または665mm、長さ1829〜3658mmの形状のものを使います。
・取付け金物には、ボルト、釘、亀座金、パッキンを用います。

葺方

・一般部の葺き方は、波の長さ方向の重ねを150mm以上にし、幅方向の重ねを3山にします。
固定ボルトまたは固定釘で、固定します。
固定ボルトまたは固定釘の孔はドリル開孔にします。
・ボルトおよび釘とも亀座金とパッキンを使い、母屋に留めます。
留め間隔は、3山につき1本とします。
・波板葺の際は枕座金を用います。
枕座金とは、母屋と波板の間に入れる、女性の胸当て状の座金のことです。これにより、波板の山がつぶれて雨漏りすることを防ぎます。
・棟部分には、波板の水上端の底部を波の高さまでつかみ上げ、水返しとして棟板と波板の間に波面戸と挟み込みます。
木造下地では、棟板を母屋に釘で留め付けます。
鉄骨下地では、固定ボルトを利用して留め付けます。

※建材を探す →  「屋根工事」屋根材塩ビ波板FRP波板
 

銅板葺

加工性・耐久性のよい銅板による平葺(一文字葺)、瓦棒葺、スタンディングシーム葺および段葺があります。

材料

銅板葺屋根に用いる板および条で、JIS 規格に準じるもののうち、リン脱酸銅板を使います。
条とは、コイルまたは長尺銅板のことです。
リン脱酸銅は、精製の時にリンを用いるので、微量のリンが残ります。
JIS規格のリン脱酸銅には、銅およびリンの成分率により、3種に分かれます。
その中で、C1220を標準とし使います。
厚さ0.3〜0.4mm、大きさは365mm×1212mmを4枚裁ちしたもの、 または455mm×1212mmを6枚裁ちしたものを平葺で使います。
上等な工事ほど葺板を小さくします。
・吊子は、幅30mm、長さは60mm程度のものを使います。

工法

一般部分、棟、軒先、けらば、その他、金属板葺と同じです。

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折板葺

材料

材料は、金属板葺と同じです。
金属屋根葺材を、ロール成形機で、山高80〜155mm、厚さ0.6〜1.0mmに加工された折板を、タイトフレーム、固定金具、軒先面戸、止面戸、棟覆い、雨押え、エプロン、軒先フレームを用いて施工します。

葺き方工程

1、タイトフレームの墨出し
2、タイトフレームの取付け・受染にアーク溶接
3、仮葺き
4、本締め
5、各部施工

・仮葺き、本締めの工程には、重ね型と、はぜ型の方法があります。

・重ね型折板の仮葺き・本締め
仮葺きの際は、折板をタイトフレーム上に固定ボルトで固定します。ボルト孔は、ボルト径+0.5mmとします。
ドリル開孔または孔に見合った呼出しポンチで開孔します。
本締めは、仮葺きの後、タイトフレーム間を約600mm間隔に、緊結ボルトで折板相互をつづり合わせます。
緊結ボルトは、折板裏面に平丸座金を、外表面側にはパッキンと防水座金を入れてナット締めします。

・はぜ型折板の仮葺き・本締め
仮葺きの際は、折板をタイトフレームに固定座金で固定します。
はぜは、上下のはぜを、なじみよくはめ合せます。
本締めは、仮葺きの後、専用のはぜ締め器でタイトフレーム間を適当な間隔に、はぜの部分締めをします。

工法

・折板の軒先は、底部に角度15度程度に尾垂れを付けます。
折板の底に設ける雨水の落し口は円形にし、孔の周囲に尾垂れを付けます。
・けらばは、けらば包みのない場合、最端部を折板の山で納めます。
最端部の山から4山以上にかかる変形防止材を、1200mm以内の間隔で緊結ボルトを利用して留め付けます。
・水上部分の壁との取合い部は、折板葺に止面戸を取付けた後、雨押えを取付けます。
雨押えの一端は、壁際で150mm程度立ち上げ、他端は折板に200mm程度覆います。
このとき、エプロンが取り付くよう加工します。

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用語

・下葺
主として防水性の向上を目的として、下地の全面に敷設される材料と、その敷設作業のこと。屋根葺材の施工の前に行われます。
・留付け
屋根葺材、役物を釘打ち、緊結線、吊子、ボルトによって下地に緊結する作業。
・縦重ね
屋根葺材の流れ方向の重ね部分、またその長さ。
・横重ね
屋根葺材の流れに直角方向の重ね部分、またはその長さ。
・壁との取り合い部
屋根面が水上部分で、あるいは流れ方向と平行に、上階部の壁と連続して接する線状の部分。
・谷
屋根面が水下部分で別に屋根面または壁面と連続的に接する線状の部分。
・谷板
谷部の防水のため、野地面上に谷に沿って帯状に設ける金属板。谷板を敷く野地面を1段下げた物を落し谷ともいいます。
・捨て谷
壁との取合い部などにおいて、屋根葺材の下にまわり込む雨水の排出処理のため、屋根葺材の施工に先立って下地面に設ける谷板。
・谷樋
谷部の排水のため設ける樋。のこぎり屋根、M型屋根などで用いられます。特に勾配の緩い谷樋を陸谷樋ともいいます。
・雨押え
壁との取合い部などにおいて、防水のため仕上げ材の間に挿入する補助材料。主として金属板を用います。水切りとも言います。
・水返し
雨押えの立ち上り、金属板葺板の水上側の上端を雨水で濡れる部分に向かって折り返すこと。またはその部分。
・面戸
曲面状の屋根葺材が軒、棟などの直線部材と直交するときの隙間をふさぐための役物。

粘土瓦・厚形スレート葺関係

・瓦
粘土瓦・厚形スレート葺で用いる葺材の総称。一般部に用いる桟瓦のほか、軒瓦、袖瓦、のし瓦、丸瓦、その他の役瓦があります。
・瓦桟
引っ掛けて瓦を固定する場合の下地に葺足に合わせて設ける桟木状の部材。
・土葺
粘土瓦葺において、主に瓦の安定を目的として瓦裏面に葺土を置く工法。
べた葺と筋葺があります。
・引掛葺
瓦のずれ防止のため、裏面頂部の突起を瓦桟に引っ掛けて葺く工法。瓦の安定のため、一部葺土を用いるなじみ土葺と、まったく用いない空葺があります。

金属板葺・銅板葺関係

・葺板
屋根葺用に板裁ちし、加工した金属板の総称。
・平葺
葺き方の種類の一つで、葺板に立ち上りを設けず、平面に葺き上げる工法。
一文字葺、ひし葺など。
・立ち平葺
葺き方の種類の一つで、両端を流れ方向に平行に立ち上げた葺板相互をはぜ継ぎして葺上げる工法。立ちはぜ葺とも言います。
・スタンディングシーム葺
葺き方の種類の一つで、溝板の立ち上り部にキャップをはぜ組みして葺き上げる工法。立ち平葺に類似した工法。銅板葺の際に用います。
・段葺
葺き方の種類の一つで、野地面の流れに直角方向に段を設け、その面に合わせて平らに葺き上げる工法。銅板葺の際に用います。
・溝板
立ち平葺、スタンディングシーム葺、瓦棒葺などで、両端に立ち上げを付け、溝形に加工した葺板。
・心木
瓦棒葺において、葺板の固定のために野地面上に流れ方向に設ける棒状下地木材。

折り板葺関係

・接合用部品
折板を躯体相互に緊結するための部品。タイトフレーム、ボルト、ナット、座金、パッキン類を含みます。
・変形防止材
けらばで、折板の変形を防止するため、山に直交方向に設ける棒状地下木材。

 
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