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現場管理

施工者が行う工事管理のうち、工事現場で行われる部分のことを現場管理といいます。
工事現場の管理、材料の管理、施工工程の管理などからなります。

目次

工事管理の一般事項

工事計画に沿って工事を進めていくには、工事管理が重要です。
以下では、まず、工事管理に関する一般事項を概説します。

用語

設計図書:設計図及び仕様書(現場説明書およぴ質問回答書を含める)
係員:建築業法にいう監督員、またはその代理者
施工者:工事請負契約書に記載されている請負者またはその代理者もしくはそれらが委任する現場代理人など
協力業者:施工者との契約に基づいて,工事の遂行に協力する者
工事現場:工事目的物を施工する場所  (JASS.1)

工法の変更など

基本的に、施工者は設計図書に従って工法等を決めます。
しかし、以下の場合は、係員と協議の上で工法等を変更することができます。
設計図書の内容が不明確な場合、内容が疑わしい場合
設計図書と現場の事情が一致しない場合
予期しない事態が生じ、設計図書に示された条件を満たすことかできない場合
工法のわずかな変更や契約以外の関係工事は以下のように行います。
・完成物に不都合をもたらすことはなく、請負金額の増減を引き起こさない範囲での設計内容の軽微な変更は、係員と協議の上で行ないます。
・契約以外の関係工事は、工事関係者と協議の上で工事全体に支障のないように行います。

 

工事現場管理

施工者は、関係法規を守りながら、工事現場を自主的に管理しなければなりません。
工事現場管理の具体的な内容は、以下の通りです。
・工事現場周辺の建築物、道路、通行人などの第三者に災害を及ぼさないようにします。
・工事現場の点検を入念に行い、事故、火災、盗難の防止に努めます。
・工事に伴う騒音、振動、ほこりなどによる公害が生じないように適切な処置をとります。
・事故、災害、公害が発生した場合やその恐れがあるときは、速やかな処置をとります。
・既存部分、施工済み部分、未使用材料などで、損傷や汚染の恐れがある場合は、適切な方法で養生して、損傷を受けた部分は速やかに復旧します。
・工事中に生じた土中埋設物、土砂などは、工事現場の外に搬出して処分します。
・工事中に埋蔵文化財などが発見された場合は、直ちに作業を中止して、その取り扱いを係員と協議します。
・工事の支障となる障害物や産業廃棄物は適切に処分します。
・設計図書や係員の指示に基づく決定事項、安全の確保に関連する事項は、協力業者と作業員に周知させます。
・工事終了後、工事現場内とその周辺の後片付け、掃除を行います。

 

材料管理

材料管理の一般事項

材料管理は、以下の点に留意して行われなければならなりません。
・設計図書による特別の指示がある場合と、仮設工事用の材料以外は、品質が確かな新品の材料を用います。
・材料に品質が明示されていない場合は、他の材料と均衡のとれた品質のものを用います。
・JISまたはJASなどによって指定された材料は、マーク表示のあるものか、規格証明書が添付されたものを用います。
・指定された材料のうち入手が困難な材料は、係員の承認の上で、それと同等以上の代替品を用いることができます。
・調合を定めることが必要な材料は、施工計画書とともに調合表を係員に提出し、承認を受けます。
・搬入された材料は、それが設計図書の示す条件に適合することを確認し、必要に応じてその証明となる資料を添えて、係員に文書で報告します。ただし、軽微な材料については報告を省略することができます。
・不適格品は速やかに工事現場から搬出します。
・材料の試験と検査は原則として施工者が行います。
・検査の結果、材料が不合格となった場合は、速やかに代替品を納入します。
・支給材料の受け渡しは係員の立会いの下で行い、その保管は施工者の責任において適切に行います。
・支給材料は、定められた目的以外には用いてはいけません。
・支給材料を使用するときは、そのつど、使用箇所、使用数量、残量を係員に報告します。
・支給材料が設計図書に示された品質に適合しない場合は、係員に文書で報告して指示を受けます。

材料別保管方法

材料ごとの管理方法を以下に示します。
木材、ベニヤ板:乾燥と腐朽に気をつけ、雨がかからず、汚染や損傷の恐れのない場所にまくらを飼い保管します。ベニヤ板は通風よい倉庫に平積します。
せき板:直射日光にさらされないよう、シートなどを用いて保護します。
セメント、せっこうプラスター等:種類別に区分し、風化しないように通気を避け、上げ床(GL30cm以上)の倉庫に乾燥状態で保管します。10袋以上積み重ねないようにします。貯蔵日数が2ヶ月を超えるものは、用いる前に品質を検査します。混合せっこうプラスターは製造から6ヶ月以上経ったものは使用しません。
骨材(砂、砂利、砕石等):種類別に区分して貯蔵して、ゴミや有害物の混入を防ぎます。粗骨材の荷卸しと盛り上げは、細粗粒が分離しないように注意して行います。骨材を山積みにして貯蔵する場合は、頂部が水平になるように同じ高さに積み、盛り上げ高さはなるべく低くして、斜面を避け、水はけの良い所に置きます。貯蔵びんを使用するときは、その底は出口に向かってどの方向からも水平に対して50度以上の角度をとるようにします。びんに骨材を投入するときは中央直上から垂直に落とすようにします。高炉スラグ砂は1日の平均気温が25℃を超える場合、粒子が固結しないように貯蔵期間を短くします。
軽量骨材:使用前に十分にプレウェッチングします。
混和剤:種類別に区分し、品質を保つように貯蔵します。水と比べて粘性が大きいため、沈澱を生じたり配管を詰らせたりすることがあるので注意しなければなりません。液が凍結した場合は、完全に解かしてかあ、均一になるようによく混ぜてから使います。
コンクリートブロック:汚染しやすいので地上に直接置かずに、積み高さは1.6mを限界として、シートなどを用いて雨がかからないようにします。床板の上に仮置きするときは、1箇所に集中しないようにします。
鉄筋:種類ごとに断面にペイントするなどして色分けして整とんします。不合格品が混ざらないように気をつけます。まくらを置くなどして地上に直接は置かずに、雨や潮風を避けて、土や油によって汚染されないようにします。
鋼材:使用材は他の材と混ざらないよう整とんし、良好な状態に保管します。
溶接材料:特に湿気に注意しながら、被覆材のはく脱、汚染、変質、吸湿、さび等がおこらないように保管します。吸湿の疑いがある場合は、乾燥機などで乾燥させてから使用します。
高力ボルト:ボルト、ナット、座金の3つセットで規格が決まっているので、混ざらないように保管します。埃や付着物、さびに気をつけます。
石、大理石:汚染を防ぐため、飼木をし、立てかけて保管します。
波形石綿スレート:まくら木等を置いて水平に保ち、1mくらいを限度として積み重ね、雨にさらさないようにします。
アスファルトルーフィング類:湿気の少ない室内に保管し、耳がつぶれないように縦積1段とします。砂付ルーフィングはラップ部分を上にして1段積みとします。
塗料・塗料で汚れたぼろ布等:周囲の建物から1.5m以上離れた独立した平家で、風通しのよい場所に保管します。
耐火れんが:雨がかからないように保管します。
日本かわら類:敷板をして、小端立てで集積します。
テックス類:風通しのよい倉庫に平積みします。
ガラス:箱に入れ、縦に並べます。
杭類:材が曲がらないように平積みで保管します。段積みにするときは、各段のまくら材が同一鉛直線上に配置されるようにします。

 

施工管理

施工管理は以下の点に注意して行われなければなりません。
・設計図書、工程表、現寸図、施工図などに従って施工します。
・工事の前に、工程表を作り、係員の承認を受けるます。
・工程表に変更が生じた場合は、変更工程表を速やかに作ります。
・工程表で契約以外の工事との取り合いのある場合は、係員の指示を受けて調整します。
・工事の前に、必要に応じて施工計画書を作成し、係員に提出します。
・施工計画書で契約以外の工事との取り合いのある場合は、係員の指示を受けて調整します。
・施工者が作成した現寸図、施工図、見本など(工作図、製作図、型板、模型を含む)のうち、設計図書に指定されたものと係員が必要と認めたものは、係員に提出します。
・工事の進ちょく、作業員の就業、材料の搬入、気候などで、係員が指示した事項については、それらの状況と結果を示す報告書を係員に提出します。
・施工の検査は原則として施工者か行ないます。
・施工後では検査が困難な工事で、設計図書に指定されている場合や係員か指示した場合は、係員の立会いの下で施工します。
・工事の完成前に、工事の終了した部分を部分的に使用する場合は、係員と協議してその条件を明らかにします。
・工事が完成すると、施工者は設計図書に照らして検査を行い、その上で係員の検査を受けます。

 

記録

工事管理にあたって、以下のような記録が必要となります。
・承認あるいは協議事項の記録を作成し、署名のうえ係員に提出します。
・試験、検査の適合性を証明する資料を添えた記録を作成し、係員に提出します。

 

引渡し

工事の完成物の発注者への引き渡しは、係員の立会いの下で行います。
そのとき、以下に示す書類、物品も発注者に引き渡します。
完成届及び引渡し書
かぎ引渡し書及びかぎ箱
工具引渡し書及び工具箱
特記による予備材料及び物品
建物使用説明書
係員か指示する施工図その他の資材・材料・器具類

 
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