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施工業務

施工業務とは企画、設計、工事監理、施工等に関わる諸々の業務の総称です。
ここでは、これらの業務とそれに伴う手続きについて説明します。

目次

施工とその後の流れ

建築の企画から完成までの流れと、そこにどのような人たちが係わってくるかということを、簡単に説明します。
まず、建築をするときに、何のために建築するのか、どのように建築すればよいのか、といったことを考えることを「企画」と言います。
企画をする段階での情報収集や調査、分析、打ち合わせ、意見交換などは非常に大切です。
なぜなら、それ以降の建築行為は、企画の段階で決めたことを基礎にしながら進んでゆくからです。
企画が決まると、次は具体的な「設計」に移ります。
設計を行う者を「設計者」と言います。
設計者による設計が終わると、続いて、「施工業者」と「工務店」を選びます。
施工業者と工務店が決まると、実際の工事の始まりです。
工事を進めるにあたっては、工事に対する助言や工事の「監理」を行う「工事監理者」が必要です。
設計内容を一番よく知っているのは設計者なので、設計者が工事監理者になるのが一般的です。
工事を進めていくことを「建築施工」と言います。
工事を行うのは、「請負業者(施工業者と工務店)」と「下請け業者」です。
工事が終わると、この建築物の建築主は、法務局に所有者として「登記」しなければなりません。
法務局への登記は「土地家屋調査士」と「司法書士」が行います。
また、この建築物がマンションや建売物件であれば、商品として社会に流通します。
流通業務は「宅地建物取引主任者」が行います。

このように、建築という行為には、多くの人が関係しています。
さらには、上記の他にも、建築現場周辺の住民や、関係官庁等も建築に関係してきますし、もしもトラブルが起これば弁護士も関係してきます。
つまり、建築という行為は、多くの人が互いに関係しあうことによって初めて成り立つ行為なのです。
そして、多くの人が関係するだけに、しばしば、建築にはトラブルが伴います。
建築に伴うトラブルを防ぐには、まずもって、設計者、監理者、施工業者等の関係各者が建築基準法およびその他関連法を遵守し、モラルをもって各々の業務にあたることが不可欠です。
しかしそれと同時に、建築主が建築に関する情報と知識を身につけておくことも、トラブルの回避にとても有効です。
このような、建築主が建築に関する知識を事前に身につけておくことによって、建築に伴うトラブルをできるだけ小さくしようという考え方を「予防建築」と言います。
建築トラブルを防ぐには、関係各者のモラルはもちろんのこと、予防建築が非常に重要です。
そこで、このウェブ・サイトでは、建築に伴うトラブルを未然に防ぐために、予防建築に必要なあらゆる建築関連情報を提供していきます。

 

企画

建築物を建てるには、その目的に応じて、建築の場所、規模、時期、さらには経済的な面についても十分に考える必要があります。
このような活動を建築の企画といいます。
建築の企画を立て、その実現に必要な資金を負担する者を、建築主、注文者あるいは施主などと呼びます。

 

設計

建築主の立てた企画に基づいて、工事に必要な設計図や仕様書といった設計図書を作り、工事を始められるようにすることを設計といいます。
また、設計を行う者を設計者といいます。
設計業務は建築士事務所などが行っています。
建築士事務所には、一級建築士事務所、二級建築士事務所、木造建築士事務所があります。
いずれも法律に基づいて登録されたものです。
一級建築士、二級建築士、木造建築士では、それぞれ行うことのできる設計の範囲が違い、その範囲は木造建築士、二級建築士、一級建築士の順に広くなります。

 

建築士でなければできない建築物

(執筆中)

 

設計業務

設計業務の内容としては、敷地調査、設計図の作成、設計書類の作成があります。

敷地調査

敷地調査には交通、輸送といった地域に関する調査、日照、温度、湿度といった気象に関する調査、電気、ガス、上下水道といった公共施設に関する調査、地形、地質、地耐力、地下水、土壌といった地盤や環境に関する調査、資材、労働力といった経済に関する調査があります。

設計図の作成

設計図には一般図、構造図、設備図があります。
一般図とは配置図、平面図、立面図、断面図、詳細図、展開図、透視図(パース)などのことをいいます。
構造図とは伏図、構造図、構造詳細図、部材断面図などのことをいいます。
設備図とは電気配線図、ガス配管図、給水図、排水図、空調設備図などのことをいいます。

設計書類の作成

設計書類には仕様書、工事費積算書、構造計算書があります。
仕様書には共通仕様書、特記仕様書、現場説明書、質疑回答書があります。
工事費積算書には工事費概算見積書、予算書、内訳明細書があります。
構造計算書では荷重計算、応力計算、断面計算などが行われます。

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監理

工事の進行状況を設計図書と照らし合わせ、工事が設計通りに行われるように指導監督することを工事監理といい、工事監理を行う者を工事監理者といいます。
工事監理の具体的な業務内容は、工事に関する契約書の作成への協力、工事費内訳明細書の内容や工事費の適正金額の調査、施工業者の提出する図面や工程表の調査、工事に用いられる材料の調査、完成物と設計図書との照合、といったことです。
工事監理者は、事故などを防ぐために施工業者が現場に置く「管理者」とは異なります。
民法第635条の規定により、例え建築物が設計図書の通りに完成しなくても、建築主はその建築物の受け取りを拒否することはできないので、建築の専門家に工事監理を依頼しておくことは重要です。
もし、工事監理者がいるにもかかわらず、工事が設計通りに行われなければ、その責任は工事監理者が負うことになります。

 

施工

設計図書に従って工事計画を立て、工事を実施することを施工といい、施工を行う者を施工者または工事施工者といいます。
とりわけ、施工を業務とする者として施工業者(建設業者)があります。

建設業の許可

適切な施工を確保するために、建設業法により以下のような規定が設けられています。
建設業者は許可を受けなければ営業できない
建設業者は一般建設業者と、特定建設業者に区分される
建築一式工事で900万円以上又は延面積150岼幣紊量畋そ斬霍事、それ以外の工事では300万円以上の工事は、建設業者でないと工事できない
特定建設業者は2,000万円(建築工事業では3,000万円)以上の工事を管理する場合、下請業者を指導するに監理技術者をおかなければならない
建設業者は学校、病院などの公共性のある建築工事では1,500万円(建築一式工事では3,000万円)以上の工事では、工事毎に、主任技術者又は監理技術者を専任させなければならない
また、建設業法により以下の行為は禁止されています。
下請けを一括して請け負うこと
請け負った工事を一括して他人に請け負わせること

 

施工方式

工事の進め方(施工方式)には、直営方式、請負方式、委任契約があります。

直営方式

直営方式とは、建築主が自分で工事に必要な労働を雇い、材料を購入して施工することをいいます。

請負方式

請負方式には単独請負と共同請負があります。
単独請負にはさらに一括請負方式と分割請負方式があり、一括請負方式では全ての工事を一括して一人の業者が請負い、分割請負方式では建築工事と各種の設傭工事を専門の業者が個々に請負います。
共同請負では2以上の業者が共同の責任をもって請負います。

委任契約方式

委任契約方式民とは、法上の委任契約に基づき、施工者が建築主に代わって工事を実施し、工事に要した実費と報酬を受け取る方式をいいます。

 

請負業者の選定

施工方式のうち、請負方式が最も一般的です。
請負業者を決める方法には、競争入札と随意契約があります。

競争入札

競争入札には公入札、制限付公入札、指名入札があります。
公入札とは一般競争入札とも呼ばれ、請負業者なら誰でも参加できる入札をいいます。
制限付公入札とは、納税額などによって入札資格に一定の制限が設けられている入札をいいます。
指名入札とは、適当な工事能力を有していると思われる数社を指名して行う入札をいいます。
指名入札には、不適格な業者を予め排除することができて、しかも入札に関する経費や期間が少なくて済むという利点があります。

随意契約

随意契約には、特命と見積り合せがあります。
特命とは、建築主が特定の業者を選んで請負わせることをいいます。
見積もり合わせとは、2社以上の業者から見積書を取りその内容を検討したうえで、業者を選んで請負わせることをいいます。
入札している時間がない場合や、工事が小規模な場合、工事内容を秘密にしたい場合、あるいは入札しても希望者や落札者がいない場合などに、随意契約が用いられます。

 

契約

建築主と請負者が、契約書類に記名押印することによって契約が成立します。
契約書類には、契約書、契約約款、設計図書、請負代金内訳書、施工計画書があります。
契約書とは、工事場所、工期、請負代金額、契約保証金の有無およびその金額、工事完成保証人などについて記載したものです。
記名押印のうえ、建築主と請負者がそれぞれ1通ずつ保有します。
契約約款とは、契約内容の詳細を示す文書です。
設計図書とは、設計図と仕様書のことを指し、設計図は工事内容を図面で示したもの(「設計業務」の項参照)で、仕様書は材料の品質や施工方法、試験方法といった、図面以外の工事に関する内容を文書で示したものです。
仕様書にはさらに、共通仕様書、特記仕様書、現場説明書、質問回答書があります。
共通仕様書とは、工事全般に共通する事項を示したものです。
特記仕様書とは、工事に関する特別の事項を示したものです。
現場説明書とは、図面などに明記できない事項に関する仕様を説明したものです。
質問回答書とは、請負代金決定前に起こった、設計図、仕様書、請負条件等に関する請負者の質疑と発注者の回答事項を記したものです。
請負代金内訳書とは建築主の要求によって添付される文書で、数量や金額の工事別の内訳を示したものをいいます。
施工計画書とは建築主の要求によって添付される文書で、施工の工程などを示したものをいいます。
本来、契約では発注者と受注者は対等に扱われなければいけませんが、実際は、受注者の方が不利な立場に置かれることが多いです。
そこで、対等な契約を実現していくために、中央建設業審議会制定の約款、四会連合協定工事請負契約約款が制定されています。

 

四会連合協定・工事請負契約約款

仲裁合意書・工事請負契約約款など、各団体へお問い合わせください。


日本建築士事務所協会連合会
日本建築士事務所協会連合会(各種資料ページ)

 
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