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測量

地表上の必要な諸点相互の位置関係をはかり、測量図面をつくったり、図面上の点や線を現場に設定したりする作業を測量といいます。

目次

測量の基本

作業内容

測量の作業は、それを行う場所によって、外業と内業に分けられます。
・外業
野外で行う測定作業で、実際の調査地で選点および造標・実測・測定結果の記録などの作業を行います。
・内業
外業の結果に基づいて図面を作成し、面積や体積を計算する作業です。

精度

測定において誤差をなくすことは不可能です。しかし、同じ1mmの誤差でも、測定値が1mの場合と10mの場合では、その精度は異なります。そのため、測量は、それぞれの調査目的に合った精度で行う必要があります。ただし、必要以上の精度の測量をすることは、図面作成時に邪魔になる恐れがあるので注意します。

誤差の原因

・器械による誤差:定誤差(累積誤差)
・自然現象による誤差:不定誤差(偶然誤差)
・測定者による誤差:過失誤差(錯誤)

角測量と距離測量の精度(誤差)の関係

・角度誤差:1′、精度:1/3440、
偏移量(mm)は、50m:14.5、100m:29.1、200m:58.2、500m:145.4、1000m:290.9、2000m:581.8
・角度誤差:30″、精度:1/6880、
偏移量(mm)は、50m:7.3、100m:14.5、200m:29.1、500m:72.7、1000m:145.4、2000m:290.9
・角度誤差:20″、精度:1/10300、
偏移量(mm)は、50m:4.9、100m:9.7、200m:19.4、500m:48.5、1000m:97.0、2000m:193.9
・角度誤差:10″、精度:1/20600、
偏移量(mm)は、50m:2.4、100m:4.8、200m:9.7、500m:24.2、1000m:48.5、2000m:97.0
・角度誤差:5″、精度:1/41250、
変異量(mm)は、50m:1.2、100m:2.4、200m:4.8、500m:12.1、1000m:24.2、2000m:48.5

測量機械と取扱い

・機械の取扱いには十分注意します。特に格納箱からの出し入れの際には両手を使って慎重に行います。格納はすべての締付けねじをゆるめて静かに行います。
・三脚への取付けは確実に行い、よく確認します。ねじ山があっていない場合落とす恐れがあります。
・機械を肩に担いで運搬しないこと。頭部を前にして両腕にかかえて中距離以上運搬する場合は格納箱に納めて運搬します。
・機械の運搬の際は、固定ねじを軽く締め、衝撃などに対し容易に動けるようにします。
・機械に衝撃や振動を与えないよう注意します。また強い直射日光を避けます。

 

距離測量

巻尺・チェーン・竹尺・間縄・測棒などの測長具と、測線の方向を決めるポール、直角を設定する矩杖・鏡矩などを用いて測定します。
その精度は、土地の形状・用いる器具や測量方法によってかなり相違します。
測量場所の地形に対して要求される精度は以下の通りです。
平坦地:1/1000〜1/5000
山地:1/500〜1/1000
市街地:1/5000〜1/50000

測量方法と期待精度

・歩測
期待精度:1/100〜1/200
利用:踏査、小縮尺の地図、照査
測量機械:ハンドコンパス、アリダ―ド
・スタジア測量
期待精度:1/300〜1/1000
利用:細部測量、精密測量の点検
測量機械:トランシット
・巻尺(普通)測量
期待精度:1/1000〜1/5000
利用:通常の工事用測量
測量機械:トランシット
・巻尺(精密)測量
期待精度:1/10000〜1/30000
利用:精密な工事用測量
測量機械:トランシット(倍角法を用いる)
・基線測量
期待精度:1/50000〜1/100000
利用:三角測量用の基線
測量機械:精密セオドライト

 

測量方法

平坦地の場合

まず測線の両端にポールを立て、その長さが巻尺の長さ以上のとぎは両端のポールの見通し中に適当な点を設け、順次その距離を測りその合計が測定間の距離となります。

傾斜地の場合

高所Aから低所Bに向かう降測と、低所Bから高所Aに向かう登側があります。降側のほうが操作・労力ともに楽で、しかも精度が高いです。
図1

距離AB=AC’十CB’ 降測
距離AB=B’C十C’A 登測

測線中に障害物のある場合

図2

 

各種測量方式

スタジア測量・平板測量・トランシット測量

 

スタジア測量

スタジア(視距儀ともいう)を用いて行なう間接的な距離測量です。
トランシット又はレベルの望遠鏡に十字叉線(視準線)があり、十字叉線(視準線)の上下にある2本の視距線(スタジア線)で、測点に立てられた箱尺の目盛りを読むことにより距離を求めることができます。
標尺の目盛の読みに、そのスタジア固有の倍率(スタジア定数)を乗ずることにより距離を求めます。
箱尺の読みと視距離間の長さから距離を求めるので、誤差は拡大されて大きくなりますが、中間に障害物があるような場合は便利です。

 

平板測量

高い精度は期待できませんが、現場を直接見ながら、現場で作図できます。
小さな敷地の測量に便利です。

長所と短所

・長所
現場で直接作図できる。
地形図作成の所要時間は、他の方法より迅速。
器械は簡単で、運搬も便利。
・短所
湿気が多いときは、紙が伸びて誤差を生ずる。
雨天のとき、強風のときは作業が困難。
晴天のときは、可視距離は50m程度。
高い精度が得られない。

平板測量の用具

平板(図板) 、三脚 、アリダード 、求心器 、磁針箱 、下げ振り 、その他

平板の据付

・平板が水平になるように、アリダードに設けられている水準器でセットします。
・平板上の点と側点が一致し、かつ地上の測線と図紙上の測線が一致するようにします。

測量方法

放射法、交会法、進測法があります。

 

トランシット測量

トランシットを使用して行う測量です。
トランシットとは、望遠鏡を使って角の測定を行う光学器機をいいます。
水平角の測定に最も多く使用されます。

遊標(バーニャ:Vernier←発明者の名前)

主尺の最小目盛以下の端数を読み取るための副尺です。
主尺の1目盛の1/nまで読むことが出来ます。
バーニャでは主尺の(n−1)個の目盛の長さをn個に等分しており、主尺の目盛りと合致したところの目盛りを読みます。

トランシットによる角度測量

・水平角の測定
下げ振りで機械の中心をOに合わせます。
上部運動を固定し、下部運動で点Aに視点を合わせ、このときの水平分度円のバーニャの値を正しく読み取ります(始読)。
下部運動を固定し、上部運動で点Bに視点を合わせ、このときの水平分度円のバーニャの値を正しく読み取ります(終読)。
終読から始読を引いた値が∠AOBとなります。
・縦角の測定
水平角と同様にして測ります。

 

水準測量

レベルによる高低差の測定を主体とした測量を水準測量といいます。測点相互の高低差、地盤の横断、縦断などを決定します。

高低測量

高さを測ろうとする測点に箱尺を立て、水平にすえ付けたレベルでのぞいて、その読みの差により高低差を求めます。進んで行く方向が前視、既知の方向が後視です。
もりかえをしない場合
高低差H=後視a−前視b
もりかえをした場合
高低差H=後視の和a−前視の和b
標高の算出
未知の点の標高X=既知の点の標高Y+高低差H

水盛

建築物を施工する場合に高さの基準点を設け、建築物躯体などの高さの基準を測り出すことです。小規模な工事では水盛タンクを使います。

 

トラバース測量

地上のいろいろな測点を結んでできた多角形の各辺の距離と方向を測量して、各測線および測点の位置を決定する測量をトラバース測量といいます。

トラバース測量の閉合誤差の修正

・製図による方法
直線上に各辺の長さに比例してAB、BC、CD、DE、EA1’を取ります。A1’から閉差A A1’の長さをA A1’に垂直にとり、その点をA’とします。点B、C、D、Eから垂線を立て、AA’との交点をそれぞれB’、C’、D’、E’とします。トラバース上のB、C、D、EよりAA1’に平行線を引き、それぞれの線上にBB’、CC’、DD’、EE’をとり、その端を結びます。
図4
・コンパス法則
角度の誤差と距離の誤差が同程度の場合、緯距、経距の誤差を、各測線の長さに比例して、その測線の緯距、経距の誤差を各測線の緯距、経距に配分します。
・トランシット法則
距離の誤差が角度の誤差より大きい場合、緯距、経距の誤差を各測線の緯距、経距に配分します。
AA’:閉合誤差 XB,XC,XD,XE:経距 YB,YC,YD,YE:緯距
図5

 

面積の計算

土地の面積とはふつう水平面上に投影された境界線で囲まれた部分の面積のことをいいます。傾斜した面積については明確に傾斜面積である旨のことわりをします。
面積の計算法は次の2つがあります。
・地図を作り、計算に必要な数値を図上で測る。
・計算に必要な寸法を現場で測定する。
前者の方が作業は速いですが、製図誤差や縮尺による読み取り誤差が生じ易く、高い精度は得にくいです。

面積の計算は敷地の形状に応じて次のような方法があります。
・直線で囲まれた敷地の面積
いろいろな三角形に分割できるので、個々の三角形の面積を計算し、それらを合計して全体の面積を求める方法が一般に採用されています。
三斜法 A=1/2a・h A=面積 a=底辺 h=高さ
三辺法 3辺がa,b,cの三角形 S=1/2(a+b+c)とします。
A=√S(Sーa)(S-b)(S-c)・・・ (ヘロンの公式)

・屈曲部のある敷地の面積
図6

S1とS2に分けて求めて合計します。
S2はBCを本線としたオフセット測量を行い、台形式かシンプソンの法則により計算します。

台形式
図7

図のように曲線の部分を直線と考えて、オフセットを取り、その間隔を計り(d1d2・・・)台形が連続したものとして面積を求めます。
Aを求める面積とします。

シンプソンの法則(シンプソンの第1法則)
図8

オフセットの間隔dを等しくとり、曲線acを2次放物線abcとみなして計算する方式です。

・プラニメーターによる方法
不規則な境界線で囲まれた敷地や地図などの複雑な図形の面積を図上で求めるときに使われる方法です。
プラニメーターの極針を固定し、導針を、面積を求める図形の境界線上に動かし、これが境界線上を一周したとき、測定部の数字盤・測輪・バーニヤV1から数値を読み取って面積を求めます。
プラニメーターには各種のものがあります。

 

体積の計算

体積の計算には断面法、点高法、等高線法等があります。

断面法

・両端断面積の平均による方法
V=1/2(A1+A2)×l
・擬柱公式による方法
両端断面が平行で、側面がすべて平面である立体を擬柱といい、両端断面をA1、A2とし、中央断面積AN、両端断面間距離L、とすると体積VはV=1/6(A1+4AN+A2)lで求められます。この方法の方が前記より実際に近い値が得られます。

点高法

・三角柱体法
敷地の水準面をきめ、敷地を合同な直角三角形に区分し、各区画を三角柱と考えて、水準面から地表面までの体積を計算する方法です。
地表面は、実際は平面ではありませんが、区画された小範囲では平面とみなして算定します。
V=A/3(a+b+c) a,b,cは水準面Aからの高さ
・四角柱体法
三角柱体法と同様に、敷地を合同な長方形に区分し、各区画の体積を下式により求め、全体を集計します。
V=A/4(a+b+c+d) a,b,c,dは水準面Aからの高さ

等高線法

傾斜地などの切取りや広い土地の地ならしなどで、その土量を近似的に求める場合に用いる方法です。等高線で囲まれた面積をプラニメーターなどで計算し、その値と、その部分の厚み(等高線の値の差)によって求めます。

 

測設

設計図・仕様書に基づき、工事現場において、工事に必要な位置、寸法などの基準となる点や線を、工事の過程において、必要箇所に標示する作業。

 
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