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積算

積算とは、工事実施に先立って、設計図・仕様書・現場説明書などに基づいて、工事内容を検討し、工事費を推定することです。
そのため、既に完成した工事実績資料や、統計数値などのデータが積算のための有力な手掛かりとなります。

目次

工事費の構成

建築の工事費は一般に以下のように構成されています。

工事価格―工事原価―純工事費―直接工事費―種目―科目―細目
    |    |    共通工事費
    |     現場経費
     一般管理費

一般管理費負担額

役員報酬 取締役・監査役の報酬
従業員配当 本店・支店の従業員給料手当
退職金 役員・従業員の退職金
法定福利費 健康保険・失業保険
厚生費 慰安娯楽・慶弔見舞・医療
修繕費 建築・機械・装置等修繕維持
事務用品費 事務用消耗品・新聞
通信費 通信・交通費・旅費
用水光熱費 水道・ガス・電力・その他
調査費 技術研究・開発のための調査
広告宣伝費 広告・公告・宣伝の費用
貸倒償却費 受取手形などの貸倒損失
交際費 接待・中元・見舞等
寄付金 会社発展のための寄付
地代家賃 社屋・寮・置場等
試験研究費 新技術・新製品研究費
租税公課 固定資産税その他
保険料 火災保険・損害保険
営業外損益 受取利息・支払利息
経常利益 割引料など


現場経費の内容

労務管理費 労務者募集・解散の費用や衛生安全・厚生その他の費用
保険料 火災保険・損害保険料
現場職員給与 現場職員の給料・諸手当・賞与
法定福利費 現場職員・労働者の各種保険料
福利厚生費 現場職員の慰安・慶弔等の費用
事務用品費 事務用消耗品・新聞などの購入
通信交通費 通信費・交通費・旅費
交際費 来客接待・得意先慶弔・中元等
補償費 隣接物・道路・河川等損補償費
租税公課 固定資産税・自動車税
雑費 広告宣伝費・式典費・その他

共通仮設費の内容

準備費 敷地測量・整理・仮道路費
仮設物費 仮囲い事務所・災害防止設備等
動力水光熱費 動力・用水・光熱などの費用
試験調査費 試験・調査に要する費用
整理清掃費 各種の整理・清掃・養生費
機械器具類 全体に共通し必要な機械器具費
運搬費 全体と共通仮設に必要な運搬費
その他 共通的な仮設費用

直接工事費

工事の最小単位である細目工事費から科目・種目へと順に計算し積み上げて行われます。その工事費を構成している要素は以下のようなものです。
材料費 素材・製品・半製品などの費用で一般に現場着の価格です。
労務費 雇用労働者賃金・労務のみの工事契約の場合の労務費で、工具費下請経費を含みます。
施工費 材料持ちで施工する場合の費用で、小運搬費・仮設費・機械器具費等も含みます。
仮設費 仮設に要する費用であるが、仮設材料は再使用できる損耗材料と、再度使えなくなる全損材料があります。損耗材料は損耗率・回転率・残存率などを考え算定します。労務費は組立や取り払いなどの費用です。動力用の水光熱費も工事全体にわたって必要な費用で、通常は共通仮設費で計上されます。
機械器具類
損料…
償却費:機械の使用や年月の経過による価値の減価額
定期整備費:定期的に実施する大規模な整備の費用
現場修理費:現場で日常行う小規模な修理・整備の費用
機械管理費:税金・保険料・車庫代金など機械の保有に必要な費用
運転費…燃料・油などと運転者の労務費および各種の消耗品費
組立解体費…機械の組立および工事完了後の解体費
輸送費…現場までの輸送費(往復の費用)

上記のものが含まれますが、実際には「建設機械損料算定表」から所定の機械の単位当り損料を引用し、総運転時間と供給日数をかけて算定します。
運搬費 材料価格に含まれない場合の運搬費及び現場発生材や貸与材などの運搬費
積み卸し・荷造りなどの労務費

 

五会連合協会「建築工事部分別見積内訳書式」のあらまし

以下引用になります。

この建築工事部分別見積内訳書式は、建築工業経営研究会を中心とした委員会における研究の結果にもとづき、下記五会による「工事見積標準書式作成連合委員会」において主として民間建築工事の見積書式の標準として作成したものである。
この書式は見積内訳書式として作成したものであるが。契約締結後請負者が注文者に提出する「請負代金内訳書」の書式もこれに準ずるものとする。
連合委員会としては従来の書式に代わりにできる限り速やかにこの部分別見積内訳書式が関係各方面において採用されることを望むものである。
なお、この書式はS.R.C.造又はR.C.造の建築工事についてのものであるが、その他の構造の建築工事への適用並びに設備工事などについては引き続き研究中である。
昭和43年6月
財団法人建築業協会
社団法人全国建設業協会
社団法人日本建築家協会
社団法人日本建築学会
社団法人日本建築士会連合会

部分別見積内訳科目について

五会連合協会による「建築工事部分別見積内訳書式」によれば、部分別見積科目は以下の表のようになっています。
<表・部分別見積科目表>

 

実績資料・統計値など

諸経費

諸経費は、工事の内容や建設業者の規模の大小により異なりますが、工事費の6〜12%になる場合が多いです。なお、一般には大規模な工事ほど高くなります。

純工事費および費別内訳

建築の規模・構造・現場の実状などにより、大きく変わります。
極めて大まかな全体比率をあげると、躯体35%・仕上40%・設備25%、程度となります。

 

材料別運搬量

運搬車1tあたりの材料の運搬量

長丸太:30本
足場板:35枚
パネル:50m2
木材(ひき材):1.39m3
防護金網:1500m2
根切り土:0.65m3
砂利:0.6m3

仮設工事

主な細目には、やりかた・墨出・現寸型板・外部足場・内部足場・機械器具・道板雑仮設・災害防止・養生・掃除片付・運搬で、個々に数量を算出し、これに単価を掛けて求める方法があります。また、建築物の延べ面積に過去の実績資料に基づいた単価を掛けて求める場合もあります。

土工事

根切、すき取、埋めもどしなどで主な歩掛りをあげると以下の表のようになります。

コンクリート工事

骨材の量は調合割合によりかなり相違します。

・ポイント:コンクリート1m3当たりのセメント・骨材量
調合が1:2.5:3.5のコンクリートでは、
セメント:8袋
砂:0.53m3
砂利:0.75m3
生コンクリート1m3当たりの打ち手間:0.45人/m3
となります。
・ポイント
建築物延べ面積1m2:型わく3〜7m2
コンクリート1m3:型わく5〜10m2

鉄筋工事・型枠工事

・ポイント
型枠1m2につき木材量0.07m3(0.25石)

鉄筋の加工・組立手間は、鉄筋1t当たり以下の表のようになります。
<表・鉄筋の加工・組立手間(人/鉄筋t)>


鉄骨鉄筋コンクリート工事・鉄骨工事

普通の鉄骨鉄筋コンクリート造の資材使用量の概算は以下の表のようになります。
<表・概算資料必要量(SRC造)>

普通の鉄骨造の資材使用量の概算は以下の表のようになります。
<表・概算資材必要量(S造)>

材種別概算数量をあげると以下の表のようになります。
<表・材種別概算数量>

普通鉄骨及び軽量鉄骨の1t当たりの塗装面積は以下の表のようになります。
<表・塗装面積(m2/鉄骨t)>


防水工事

防水工事のあらましは以下の表のようになります。
<表・防水工事の歩掛り>

木工事

木材使用量のあらましは以下の表のようになります。
<表・木材の使用量>

ポイント:一般の木造建築物では、釘は0.6〜0.8kg/m2 金物は1〜2kg/m2となります。

大工手間の概数は中級程度の仕事で以下の表のようになります。
<表・大工手間の概数(人工)>


左官工事

モルタル塗り所要労務歩掛り以下の表のようになります。
<表・モルタル塗りの労務歩掛り>


その他の工事

<表・その他の工事>

 
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