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計画原論

目次

外部環境

ロケーション

環境計画

周辺環境を積極的に取り入れ、計画建築物といかに調和さすかということです。
水、緑、自然環境は、住む人、周辺住民の方々に、心理的、視覚的に大きな影響を与えます。
既存の環境に調和するような計画を積極的に行いましょう。
また、景観法や風致条例の意義と意味を確りと理解し、景観保全に努めましょう。


樹木=緑の心理的、物理的影響
物理的影響
光合成による酸素の供給
土壌の適切な保水力と遮光、遮風、温度調整等の効果
地盤の強化と防火林として、震災対策と成ります。
心理的、視覚的影響
やさしさややわらかさ、余裕と安らぎを感じさせます。


水=水の心理的、形態的影響
水が澄んでいる。水が流れる。水があふれる。
飲料水に適する。安心、安全、安息感を与える。
水の心理的効果
水を撒く。
冷やす。光を反射さす。


環境対策、省エネ対策に積極的に取り入れましょう。

日々、季節の変化

周辺の環境、眺めを積極的に、建築に取り入れましょう。
山が見える、敷地の辺に川がある、等
また、それらによる影響について、対策をしておきましょう。

ヒートアイランド現象と対策

直射日光で熱せられたコンクリートやアスファルトが夜になっても冷めないために起こる現象を、都市部の熱帯夜、ヒートアイランド現象という。

情報の利用と建築物へ反映

省エネ対策
ピクッチャーウィンドー、ペアーガラス、ブラインド、出窓、
断熱材、外壁材料
敷地の緑化

 

気候

建築予定地のデーターは、気象庁――――からダウンロードできます。

ケリモグラフ

各地の気候を知るために、通年の気温と湿度を描いたグラフである。

ケリモグラフの見方

右上がりに描かれた地域は,低温低湿、高温多湿である。

 

外温度

年較差

最高の月平均気温と最低の月平均気温の差を年交差という。

年較差の特徴

寒い地域ほど年較差が、大きい。

日較差

1日の最高気温と最低気温の差を日交差という。

日較差の特徴

海岸地域は内陸部よりもが日較差小さい。
山間部は日較差が大きい。
夏の都市部は、田園地域よりも日較差が小さい。
田園地域、山間部は、涼しい。

情報の利用と建築物へ反映

建築場所の温度・湿度の特徴を掴んで、計画に取り入れましょう。
断熱材、窓ガラス、外壁、屋根、木材の劣化、結露、防水。

 

外湿度

湿度の日変化

相対湿度は気温が午後二時頃最高に達する頃、湿度は最低となり、
日の出前の最低気温時に湿度は最高となる。
温度の日変化と逆である。

夜と昼で風の方向が逆になる。
海岸地域:日中は海からの海風、夜は陸から海へ陸風
山地:日中は山頂に吹き上げる谷風、夜は山頂から吹き降ろす山風。

情報の利用と建築物へ反映

換気、風圧、結露

 


内部環境

内温度・内湿度

体感温度

人が温度をどのように感じるかという温度で、人側の条件で変化する。
運動量や作業量、着衣の量及び体質等で異なる。
又、周囲の温熱環境により異なる。

温熱環境の4要素

人側の条件を一定とした場合、温熱環境は、温度・湿度・気流・放射の4要素で決定される。
具体的には、室内の温度、湿度と風速、物体、壁等からの発する熱エネルギーによって、室内の温熱環境が決定される。
この環境をどのような状態で維持するかを決定するかを決めることが、環境設計である。

相対湿度と絶対湿度

相対湿度
相対湿度=空気中の水蒸気量/飽和水蒸気量×100%
絶対湿度
空気中に含まれる水蒸気の総量である。

相対湿度と気温の関係

気温が高いと飽和水蒸気量が多くなる。
同じ水蒸気量・絶対湿度が同じなら、気温が高くなると、相対湿度は低くなる。
風があると体感温度は低くなる。
温度が高くても低湿度なら不快感は少ない。

 

情報の利用と建築物へ反映

温湿度の快適範囲を、維持するためには、換気設備や空調設備の能力や機能を考慮して決定する。
高温多湿で四季の在る日本に於いては、除湿対策と加湿対策及び通風対策が必要である。
通風、採光という自然条件をうまく平面、立面計画に取り入れることが大切である。
窓の種類、大きさ、取り付け位置、形状を決定しましょう。

 

温度感覚の指標

有効温度・ET

有効温度とは、気温、湿度、風速の組み合わせによって体感を表す指標である。
アメリカのヤグローは、多数の人の実証実験により、参加者の回答による、有効温度を提唱した。
有効温度は、湿度100%、風速0m/sにおける体感温度を、26℃とすれば、このときの有効温度を、ET26℃とする。

修正有効温度

有効温度に、周辺壁からの放射熱による影響を考慮した体感温度のことである。

新有効温度・ET

新有効温度とは、人体の熱エネルギー収支を理論的に解析して、提案された、感覚温度のことである。
新有効温度は、着衣量を、0.6cloクロ、静穏な気流、湿度50%を基準として、表した温度

 

不快指数

不快指数=0.72(乾球温度+湿球温度)+40.6=75 やや暑い
                     =80 暑くて汗が出る
                     ≧85 不快
不快感を表す指標である。

 

快適範囲

温湿度の快適範囲

夏季:気温26〜27℃・気流0.3m/SEC以下・相対湿度40〜60%
冬季:気温20〜22℃・気流0.3m/SEC以下・相対湿度40〜60%

 

情報の利用と建築物へ反映

新有効温度の利用、人の状態を考慮し、不快指数を計算して、快適範囲に温湿度を調整し、これに上手く風速を利用して、空調管理しましょう。

 


通風換気

通風換気目的

室内空気汚染

室内空気汚染物質の排除と新鮮な空気の取り入れ。
室内空気汚染の原因は、台所のガス器具や暖房器具等から発生する二酸化炭素や一酸化炭素、また、人の呼吸やタバコ、及び建材から発生するホルムアルデヒト等の有害物質等が原因である。
浴室、台所から発生する水蒸気や臭気も汚染の原因となる。

大気汚染物質

硫酸酸化物:石油類・化石燃料の燃焼=酸性雨・アレルギー障害
窒素酸化物:化石燃料の燃焼・車の排気ガス=酸性雨・アレルギー障害
オゾン:窒素酸化物とオゾンが化学反応=アレルギー障害
ダイオキシン:塩化ビニール等の燃焼=がん・遺伝子的病因
ラドン:コンクリート等=がん
二酸化炭素:燃焼・呼吸=温暖化
フロン:冷媒=オゾンホールの増大

換気対象物質の許容量

一酸化炭素:燃焼・喫煙:中毒・窒息:0.001%(10ppm)以下
二酸化炭素:燃焼・呼吸:酸素欠乏:0.1%(1000ppm)以下
粉じん:喫煙・繊維粉等:呼吸器障害・がん:0.15mg以下
ホルムアルデヒド:接着剤・塗料:アレルギー・シックハウス症候群の原因
水蒸気:燃焼・炊事・呼吸:カビ(カビ胞子)の原因・アレルギー
臭気:悪臭(便所)・体臭・喫煙:不快感
アスベスト:全面使用禁止

 

必要換気量

1人当りの必要換気量

炭酸ガスを基準とすると、1人につき1時間当たり30m3程度必要である。
必要換気量=室内発生ガス量/ガス許容量−外気中ガス量(m2/人・時)

換気回数

室内の空気が1時間に入れ替わった回数を言う。
換気回数(回/時)=1時間の換気量(m2/時)/室の容積(m2)

具体的に居室の必要換気量の計算をしてみよう。

居室に家族3人がいるとどれだけの換気量が必要か
人の呼吸によるCO2排出量=0.2m3/h、大気中のCO2濃度=300ppm、
室内の許容CO2濃度=1000ppm
ppm=1/1000000
必要換気量=CO2排出量=0.2m3/h/許容CO2濃度=1000ppm−大気中のCO2濃度=300ppm=0.2m3/h/0.001−0.0003=28.57m3/人・h=1人当り
28.57m3/人・h×3人=85.71m3/h

 

換気回数

換気回数とは

室内の空気が1時間に入れ替わった回数を換気回数という。

室の用途別必要換気回数

住宅の居室  2〜3
事務所    3〜6
便所     10〜15
レストランの厨房  30〜60

 

通風・自然換気

自然換気

アルファー・A√2/p△p
Q:換気量(m2/sec)・アルファー:流量係数・A:開口部面積(m2)
p:空気密度(圈m2)・△p:圧力差
自然換気量は開口部に比例、圧力差の√平方根に比例する。

換気量の変化

風速、風圧、室内外温度差、開口部面積、開口部の形と取り付け高さ、方位により変化する。

風圧換気

開口部の前後 室内 室外の圧力差による換気
空気は圧力の高い方から低い方へ流れる。
換気口は、向かい合う壁に設けると効果的である。

温度差換気

室内外の温度差による圧力差による換気
温度が高いと空気は軽い密度が小さい上昇する
温度が低いと空気は重い密度が大さい沈下する
温度差があれば1ヶ所の窓でも換気する。
横長の窓より縦長の窓の方が換気量が多い。
温度差による風向、圧力差が0となる点を中性帯という。

 

機械換気設備

建物や室の使用目的に応じた、換気の主な目的。

厨房:燃焼ガスの排出、燃焼に必要な外気の導入と調理に伴う水蒸気や臭気の排出。
便所:臭気の除去
木工所:作業時に排山される粉塵の処理
車庫:エンジンの排気ガス(有害)の排出
浴室:湿気の除去

 

機械換気方式と適用

第1種換気方式(正圧・負圧)

圧ファン+負圧ファン(併用式):正圧・負圧任意に調整でき、安定した換気ができる。
厨房・映画館・集会場

第2種換気方式(正圧)

給気ファン+自然排気(押し込み式):室内は正圧になるため、清浄を維持する室に適する。
病院の手術室・無菌室・クリーンルーム

第3種換気方式(負圧)

自然給気+排気ファン(吸出し式):室内は負圧になるため、汚染空気・悪臭が周囲に拡がらない。
便所・厨房・湯沸し室

全般換気

局部換気

セントラル換気方式

排気セントラル換気方式
給排気セントラル換気方式

 

換気量

換気設備の性能による。
使用する室の大きさ、気積や用途に応じて、的確な性能の換気扇を選択する。

台所の換気扇

熱量計算

 


伝熱

熱の伝わり方

高温側から低温側へ熱は流れる。
熱は物体の内部で、高温側から低温側へ熱移動する。
熱は、液体、気体内で高温部分が上昇し、低温部分が下降する。
暖められた、高温の物質は、熱エネルギーを赤外線の形で空間を移動し、熱を放出します。

熱貫流

・熱貫流率とは、壁体全体での単位面積当たりの熱を伝える割合で、壁体内の熱伝導と壁体表面の熱伝達や中空層の熱伝達を含めた割合である。
・熱貫流抵抗が小さい材料ほど熱がよく伝わる。
・熱貫流率が大きい材料ほど熱がよく伝わる。
・熱貫流率が大きいとは、同じ材料であれば、室内外の温度差が大きいほど熱貫流量が大きい。

熱伝達

・熱伝達率とは、材料と空気との間での熱を伝える熱量の割合である。
・熱伝達抵抗が小さい材料ほど熱がよく伝わる。
・熱伝達率が大きい材料ほど熱がよく伝わる。
・自然条件として、風速が速いほど熱がよく伝わる。

熱伝導

・熱伝導率とは、材料内の熱の伝わりやすさを表す。
・熱伝導抵抗が小さい材料ほど熱がよく伝わる。
・熱伝導率が大きい材料ほど熱がよく伝わる。
・熱伝導率が大きい材料とは、材料の比重が大きい、材料が湿潤、材料温度が高い。

熱貫流抵抗の計算

熱貫流抵抗=外壁側熱伝達抵抗+壁体熱伝導抵抗+室内側熱伝達抵抗

熱貫流率の計算

熱貫流量=室内外温度差/熱貫流抵抗×面積
熱貫流量=熱貫流率×室内外温度差×面積

 


断熱・保温

断熱

断熱とは、熱伝達抵抗や熱伝導抵抗を大きくし、熱貫流量を少なくすることである。

断熱効果を上げる方法
壁体内やサッシに空気層を設ける。
・空気層の厚さは3〜5cm程度が良い。
・密閉空気層をもつ複層ガラスは、単層ガラスの約2倍の断熱効果をもつ。
断熱材の使用 ・比重が小さく、熱伝導率の小さいものが断熱材になる。
・空気層より効果が大である。
・アルミ箔の使用すると熱放射を反射し熱伝達率を小さくする。

 

保温

保温材
熱伝導率の極めて小さい固体材料は、熱絶縁材として、保温保冷に用いられる。
保温材は、水にぬれると、断熱性能が低下する。

 

断熱と熱容量

・壁全体の熱容量が大きいと外気による室温変化が遅れる。
・暖冷房に予熱時間が必要である。
・室内の熱容量が小さいと暖冷房開始とともに室温変化する。

 


結露

露点

露点とは、飽和水蒸気量をもつ空気(飽和空気)の温度で、このとき相対湿度は100%である。
・ある温度の空気が、最大限含むことができる水蒸気の量を飽和水蒸気量といい、このときの空気を飽和空気という。
・飽和空気の温度を下げると、空気中の水蒸気は凝縮して露となる。
このような水蒸気を含んだ空気の飽和温度を露点という。

 

表面結露

表面結露とは、壁表面に水滴が付着すること。
壁表面付近の温度境界層が露点以下に冷やされることが原因で生ずる現象である。
したがって、壁の表面温度が露点以下の場合には、温度境界層が露点以下に冷やされることになり結露する。
壁の窓の表面結露は冷やされることで生じるので主に冬季に生じる。

 

表面結露の防止

壁体の断熱性能を高くする。
・熱橋(ヒートブリッジ)部分など。
室内の湿度をおさえる
・換気をよくする。燃焼器具や炊事など個別に換気(排気)する。
押入れは、通気をはかる。(密閉させない)
室内の壁材を熱容量の小さいものにする。
・木材などを使用する。
壁表面付近の空気を滞留させない。
・タンスの裏側など通気を図るか、外壁面に配置しない。
調湿材料を用いる
・吸・放湿性のある壁紙、木質系の壁紙などを室内仕上材料にする。
外断熱とするとき。
・熱橋ができにくくなる。

 

内部結露

内部結露とは、壁などの内部で結露すること。
壁体内へ湿気が入り込むと、内部の露点以下に下がったところで結露する。

 

内部結露の防止

高温高湿側に防湿層を設ける
・壁体中空部の室内側に防湿層を設け、室内からの湿気の侵入をふせぐ。
外壁またはサッシの室外側に室内側より気密性の低いものを用いる
・壁体中空部の湿気を、室外側に気密性の低いものを使用することによって外に逃がす。
外断熱とする。

 


騒音・遮音

騒音

騒音レベル

騒音レベルは、感覚補正されたものである。

騒音の許容値

スタジオ・ホール:25〜30
住宅・会議室:35〜40
美術館:40〜45
事務所:45〜55
体育館・作業場:55〜65
スタジオ・ホール<住宅<美術館<体育館・作業場

固体伝搬音

固体伝搬音:床衝撃音や.配管からの騒音が構造体を伝わる以象。
集合住宅で問題になる。

 

騒音防止策

壁体の透週損失を大きくする。
窓の気密性を高くする。
室内の吸音力を高める。
窓ガラスを2重にする。

 

遮音

透過

透過率:投射音のエネルギーに対する透過音のエネルギーの割合
透過損失:反射および吸収した音のエネルギーのレベル

透過損失の大小関係

材料の比重・密度大:透過率小・透過損失大
音の周波数高:透過率小・透過損失大

 

吸音

吸音率

投射音に対して吸収および透過するエネルギーの割合:反射音以外の音のエネルギー

吸音と材料

吸音の方法:材料と周波数の関係
板材料:低音の吸音(板厚で変化)
多孔質材料:高音の吸音
孔あき板材料:特定の周波数(板厚、開孔率で変化)の音の吸音
低音から高音までの吸音には、多孔質材を裏打ちした孔あき板と板材料を併用する。
吸音材料と躰体(コンクリートなど)は、密着させないで、空気層を設けたほうが効果があがる。

吸音率の大小関係

吸音率:かたい材料(石、コンクリート、タイル)小・やわらかい材料(畳、グラスウール)大
吸音力:吸音率×表面積

 


日照・日射・日影

日照

日照率

実際に日照があった時問の割合で、天候状態を判断できる。
日照率=日照時間/可照時間×100%
日照時間:実際に日照があった時間
可照時間:日の出から日没までの時間

壁面の可照時間

冬季:南面のほうが東西面より長い。
夏季:東西面のほうが南面より長い。
北面:半年間日照がない。

 

日射

日射の種類

直達日射量
天空日射量
全天日射量

建築物の受ける日射

建物の温熱環境に影響があるのは、太陽の日射のうち、主に直達日射である。
各方位面の日射受熱量:1日間の合計日射量を終日日射量という。
壁面の法線に近いほど受熱量は人きい。
直達日射を受けないガラス窓においても、天空日射による熱取得はある。

受熱量

夏至:東西面>北東・北西面>南面>北面
冬至:南面>南東・南西面>東西面

日照調整

屋外で日射を遮へいするのが最も効果が人きい。
南側:ルーバー・ひさしを、設ける。冬季には日射が得られる。
東西面:屋外に遮へい物を置くか、外付ブラインドを取り付けると効果が大きい。

 

日影

日影曲線

地面に立てた垂直な棒は、太陽の移動と供に影が移動し、曲線を描く、この曲線を日影曲線と言う。
日影曲線は、太陽の移動によって描かれる曲線であるから、季節によって異なる。
また、緯度の違いによって、太陽高度にずれが生じるため、日影図にずれが生じる。
地方、地方によって、日影図は異なる。
季節によって変化する。
日影の時間を調べるのは、一般に、影が一番長くなる冬至を選ぶ。
日影の長さは、北緯が高くなるほど長くなる。(太陽の位置が低くなるため)
日影になる面積は、建物の高さが同じでも形によって変わる。
建物の向きによっても変わる。

建築物の日影図

日影図を書いてみよう
JW

日影図と建築物


隣棟間隔(距離)

隣棟間隔係数:高緯度地域ほど日影が長くなるため、隣棟間隔係数は大きくなる。

 


採光・照明

光の単位

基本単位:エネルギー量
光源:点光源の明るさ
受照面:受照面の明るさ
光束:(lm:ルーメン)
光度(cd:カンデラ)
照度(1x:ルックス)
輝度(cd/m2)
人が見る面の明るさ:光源・受照面

 

採光設計

昼光の種類

直射光:
天空光:

昼光率

室内のある点の明るさと屋外の明るさとの比率
昼光率(D)=E/Eo
E:室内のある点の水平照度
Eo:全天空照度

 

照度と昼光率

照度

天空照度によって、室内の照度は変化する。
昼光率はその割合なので、天空照度の変化に左右されない。
同じ室でも、測定する位置によて照度が違うため、昼光率は異なる。

昼光率

昼光率は、窓の外の樹木など、窓から望める天空の大きさに左右される。
照度の測定が室の同じ位置でも、その面の向きによって昼光率は異なる。
室内の壁や天井仕上材を、反射率の大きい色(白色など)にすると明るくなり、平均昼光率も高くなる。
昼光率は、窓の大きさ・高さ、窓からの距離などにより、算定することができる。
住宅の居問の基準昼光率は、1%租度である。

照度分布

照度分布は、一般に、縦長窓のほうが横長窓よりよいが、窓の高さにより変化する。
窓の大きさが同一であれば、1カ所に集中して設けるより、分散して設けたほうが、照度分布が均等化される。
水平ルーバーや天窓などを設けると.片側採光の欠点である室の奥の照度不足をおぎなうことができる。

均斉度

均斉度=室内の最小照度/室内の最大照度
側窓は高い位置にあるほど(人きさ・形が同じ場合)室内の照度の均斉度が上がる。


照明設備

人工照明と昼光照明
人工照明とは、電灯等の照明器具により、照明すること。
昼光照明とは、窓、天窓等から、天空光、自然光を得る採光。

 

照明の基本計画

照明の条件

基本的な条件は次のようになる。
十分な明るさが得られること
視作業面上のグレアがなく、柔らかい影が生ずること
光の色が用途に適していること

計画手順

次の順番で計画するのが一般的である。

所要照度の決定

室の用途やそこで行う作業によって検討。
細かい作業になるほど所要照度は大きい。

照明方式の決定

部分的に明るくする必要性の有無。
全般を均一な照度にする必要性の有無。
照明の効率などを検討して決める。

光源・照明器具の選定

光源の効率・寿命・光の色、デザインなどにより決める。

所要光束の計算および配置決定

所要照度の決定で決めた照度が必要な部位から照明器具までの距離、照明器具の必要数を決め、室全体のデザインも考慮して、器具の配置を決める。

 

所要照度

作業別照度

各作業に必要な照度は各作業の部位ごとに局部照明で、所要照度を得てもよい。

室の種別照度

室の種別照度は、各作業の局部照明の他に必要な室全体の照度である。
一般に、各作業部位で所要照度を得ていれば、全般照明による室全体の照度は、各作業の所要照度の1/10程度まで低くできる。
製図室等:200〜1500lx
教室、図書室、職員室等:200〜750lx

局部照明

一般展示室:750〜1500lx

 

照明方式

照明は、器具の構造や形により光の分散が異なり、照明効率や陰影のでき方によって室の雰囲気が変化する。
そのため器具による配光の割合によって、直接照明、間接照明、全般拡散照明に分けている。

照明効率

1ワット(W)当りの光束(1m/W)を示す。照明方式では、所要照度を得るために必要になる光源の大きさ(光束)の大小をいう。
必要になる光源が大――→効率悪い
必要になる光源が小――→効率良い

直接照明

光源からの直接の光で照明することのできる照明器具よるもの、シェード(かさ)が光を透過しないもので作られているか反射板が付いているので、ほとんどの光が下方に反射される。

間接照明

器具の直接光は、天井(壁)にむけられ、天井(壁)からの反射光だけで室内を明るくする。
効率は、天井(壁面)の色(反射率)に左右され、一般には、白色系の天井・壁仕上げと組み合わされる。

全般拡散照明

光源がシェード内に収まっている器具によるもので、全方向に一様に光を出し、室に暗がりができにくい。
広い室に適す。

全般照明と局部照明

配光の割合による照明方式の区分方法とは別に、全般照明と局部照明とに分けて照明方法を考える必要がある。
局部照明
作業面上などの部分の狭い範囲のみ照明する。
全般照明
室の高い位置に器具を付け、室全体を照明する。
この2つの方法を組みあわせると室の雰囲気をよくし照明の効率もよくできる場合が多い。

 

照明器具

器具の種類

ブラケット
シーリングライト
ダウンライト
コードペンダント

光源・電灯

電灯の種類

白熱灯
蛍光灯
水銀灯
ナトリウムランプ
ネオン

 

受照面照度算定

光束法と逐点法

光束法
逐点法

 


色彩

表色系

色の三要素

色あい(色相)・明るさ(明度)・あざやかさ(彩度)

マンセル記号

色相(記号および番号)・明度番号・彩度番号の順で表示する。

有彩色

一般に、赤、肯などの色みのはっきりした色をはじめ、少しでも色みのついている色のことをさす。
色相・明度・彩度の三属性をもつ。

無彩色

明度だけで表される。明度の数値と無彩色の記号Nだけで表す。

純色

各色相最高の彩度の色である。

補色

色相環で対になる(対向する位置)色のこと。
色の残像は、補色で現れる。

 

色彩と心理

色相対比

別色相を並べると、たがいに補色に近づいて見える。
補色を並べれば、たがいにあざやかさが増す。

明度対比・彩度対比

明度・彩度の違う色と並べると、明度差・彩度差が実際より大きく見える。

継続対比

補色残像が、実際に見ている色に重なる。
明度・彩度の高い(低い)色を見たあとに、低い・高い色を見ると、その差が大きく見える対比効果。

面積効果

大面積で実際より明度・彩度ともに高くなる効果がある。

暖色と寒色

赤系から黄系を暖色:進出色
青緑から紫系を寒色:後退色
彩度・明度によっては、逆の色相になることもある。

 

色彩による環境調整

安全彩色

黄、赤、黄と黒のしま:危険・注意・禁止
緑:安全・衛生・進行

 


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